国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成26年5月22日(木)11:14~11:21

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   今日の国家公安委員会定例会議は、緊急時を想定した訓練を兼ねまして、テレビ会議システムを活用して委員会を開会させていただきました。奥野委員が自宅のテレビ会議システム、そして他の4名並びに私委員長、そして警察幹部は、委員会室のテレビモニターを通じて委員会を開会させていただきました。特に問題なく円滑な運営ができました。こういった訓練を、そういった緊急時を想定して取り組んでおくということは極めて重要であると考えております。議題事項については、「警察庁長官及び地方警察官に係る人事評価実施規程の改正」について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。私からは以上です。

問  大臣にお尋ねします。女性の視点を一層反映した警察運営について報告があったと思いますが、現状そして今後について伺います。

答  (大臣)全国の都道府県警察における女性警察官は、平成26年4月1日現在で約2万人です。これは全体の7.7パーセントに相当しておりまして、順調に増加しています。女性の力を更に活用していくことは、安倍内閣の基本方針でもございますし、非常に重要であると認識いたしております。今年の春には女性の警察署長が3名、警視庁、神奈川県警、茨城県警に誕生いたしました。その後も幹部への登用も進んでおります。また皇宮警察本部では、平成26年4月1日現在で全皇宮護衛官に占める女性の割合が10パーセントを超えました。今後も女性の活躍が大いに期待されるところでございます。
 昨年5月に報告を受け、この1年間、各種の施策に取り組んできた結果、女性職員の働き続けやすい環境の整備を着実に進めていく必要があると考えています。昨年度も多数の女性警察官が中途退職している現状がございますので、それを改善するため、引き続き、女性職員が出産・育児を経ても活躍できる環境整備だけではなく、女性に配慮した施設の改修などの整備を始め、いわゆる良好な勤務環境づくりを強力にこれからも推進するよう警察当局を督励してまいりたいと思います。

問  長官にお尋ねします。歌手のASKA容疑者が覚醒剤所持容疑で逮捕されました。この事件についての所見をお願いします。もう一点、昨年は過去3番目の押収量となり、800キロ以上の覚醒剤が押収されました。蔓延が懸念されています。現状についてと今後の対策についてお願いします。

答  (長官)まず、お尋ねの事件につきましては、5月17日、警視庁において、当該被疑者及び関係被疑者を覚醒剤取締法違反、共同所持で逮捕したところであります。
 現在、警視庁が捜査中であります。捜査に関する個別具体のお尋ねについては、コメントを差し控えたいと思います。
 著名な芸能人による薬物事犯は、社会に与える影響が大きく、警察としては、社会全体に薬物乱用を拒絶する意識が一層高まるよう、関係機関等々の協力を得ながら、薬物乱用防止の広報啓発等の取組を進めてまいりたいと考えております。
 また、薬物情勢でありますが、最近検挙人員は減少傾向にあるものの、昨年の覚醒剤の押収量は、これは統計が残っている昭和31年以降では、過去3番目、831.9キログラムでありました。依然として憂慮すべき状況が続いていると考えております。
 警察といたしましては、今後とも末端乱用者の検挙はもとより、薬物犯罪組織の実態解明と徹底検挙、薬物の供給源の遮断に強力に取り組んでまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。パソコン遠隔操作事件ですけれども、真犯人を示すメールが送られました。捜査の結果、片山被告によるものだそうです。一連の事件では、サイバー犯罪の課題なども浮かんだのですけれども、改めてこの事件についてのお考えをお願いします。

答  (長官)お尋ねの件につきましては、他人のパソコンを遠隔操作ウイルスに感染させるなどして一連の犯行予告を行った被告人について、5月20日、その保釈が取り消され、東京拘置所に収監されたものと承知しております。
 この一連の犯行予告事件につきましては、当初の捜査上の問題を教訓といたしまして、平成24年10月、4都府県警察において、百数十名体制の合同捜査本部を設置して、膨大な数のログの解析あるいはウイルスの解析、海外捜査機関や民間事業者との連携、防犯カメラの分析等の捜査を強力に進めて、緻密に証拠を積み上げ、昨年、被告人が逮捕、起訴されたものであります。その後、引き続き、検察官において、必要な立証活動が行われ、今後とも行われていくものと承知しております。この種事件につきましては、本件の捜査経過も踏まえ、全部門の捜査員のサイバー犯罪に関する知識の底上げや部門間の連携強化を進めるとともに、捜査指揮官による証拠の総合的な評価、供述内容の多角的な吟味等の徹底を図っているところでありまして、引き続き、的確な捜査を推進してまいりたいと考えております。また、本年4月、警察庁にサイバーセキュリティ対策の司令塔機能を強化するため、専任の審議官及び参事官を設置したところであります。引き続き、これらを中心にサイバー空間の脅威に的確に対処してまいりたいと考えております。