国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成26年9月18日(木)11:21~11:29

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は、全員出席でございます。警察庁からは、「平成26年上半期の出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策」等について、御報告がございました。以上でございます。

問  大臣にお尋ねします。福岡県警が16年前の拳銃使用の殺人事件について、特定危険指定暴力団工藤會のトップとナンバー2の二人を逮捕しました。二人を逮捕した成果はあるのですが、工藤會問題はこれにとどまらずに、他のもろもろのいろいろな解決すべき問題があります。今後の工藤會対策について大臣のお考えをお願いします。

答  (大臣)福岡県警察が特定危険指定暴力団工藤會の代表者らを検挙したことについては、報告を受けております。この検挙を受けまして、福岡県に特別派遣している機動隊を約500名に増派するなど、福岡県警察に対する支援も拡充したところであります。
 福岡県警察及び関係警察において、関係者の保護等を徹底しつつ、未解決凶悪事件の捜査を更に推進するなど、工藤會の壊滅に向けた取組が強力に行われるよう、警察庁を督励してまいりたいと考えています。

問  長官にお伺いします。神戸市で小学1年生の女児が行方不明となってから1週間が経ちますけれども、現在の捜索の状況、そして、今後の取組について御所見をお願いいたします。

答  (長官)お尋ねの案件につきましては、残念ながら現時点で行方不明女児の発見の報告はありません。兵庫県警察におきましては、約260人の体制で懸命の捜索活動を行っているところであります。また、防犯ボランティア等大勢の地域住民の方々の御協力もいただきながら、これまでに約1万枚のチラシを駅、商店街等において配布するなど、情報提供を呼びかけております。
 警察としては、一刻も早い発見を目指して全力を挙げて捜索活動を継続してまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。今年上半期の出会い系サイト及びコミュニティサイトによる事件の状況がまとまりました。無料通話アプリを利用した被害の増加が目立つなど状態が悪化しています。現状と御認識、それから、対策についてお尋ねします。

答  (長官)まず出会い系サイトにつきましては、平成20年の出会い系サイト規制法の改正以降、大幅に減少しております。他方、コミュニティサイトに起因して犯罪被害に遭った児童数は、平成23年から一旦減少に転じておりましたが、昨年上半期以降、特に無料通話アプリのID交換掲示板に起因する犯罪被害が増加しております。
 この種の児童被害の防止につきましては、サイト事業者の規模、提供サービスの態様に応じた自主的な対策をきめ細かく要請・指導していくことが大切であろうと考えております。特に無料通話アプリのID交換掲示板に起因する犯罪被害に対する取組として、携帯電話事業者の保有する利用者年齢情報を活用した実効性あるゾーニングの導入、スマートフォンを中心としたフィルタリングの普及徹底等に向けた働きかけを強めてまいりたいと思っております。また、児童、保護者、学校関係者等への広報啓発にも関係機関と協力して引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

問  大臣に今日の国家公安委員会に絡む話ではありませんがお尋ねします。5年前に松江市で、いわゆる在特会の関係者と一緒に写真におさまっておられたということがこのほど分かりました。在特会というのは在日朝鮮人、韓国人の方の排斥を訴えている団体で、関係者が検挙されているということもあるわけですけれども、その5年前の写真におさまっていた経緯、当時の御認識、それから、現在、国家公安委員会委員長になられて、このことをどのように捉えていらっしゃるかお聞かせください。

答  (大臣)在特会の人であるということは知りませんでした。政治家ですから、いろいろな方々といろいろな場所でお会いする、また写真をと言われれば撮ることもあるということは、マスコミの皆さんも御理解いただけるのではないかと思っております。国家公安委員会委員長でございますので、面会の要・否については、事務局において慎重に対応していただけるものと思っています。

問  大臣のヘイトスピーチへの御認識は、どういったものなのか、改めて御見解を教えてください。

答  (大臣)ヘイトスピーチについては、誠に憂慮に耐えません。特定の人々や集団に対して、侮辱であったり、差別感情を煽ったり、あるいは名誉毀損、憎悪の心を煽っていく、実際に暴力行為等々も発生しているわけでありまして、私たちは、平和な愛し合う社会を創りたいわけでございますから、そのような理想を求めながら歩いている21世紀の人々にとって、本当にそのような暴力的な行為を煽る、あるいは心を煽っていくというようなヘイトスピーチというのは、憂慮に耐えない状況であると思っています。
 警察といたしましては、警備をきちんとしながら、違法行為があれば、きちんと法と証拠に基づいて対処していかなければならないと考えております。