国家公安委員会委員長記者会見要旨(警察関連部分のみ)

1 日時 平成27年3月31日(火)8:55~9:14

2 場所 中央合同庁舎8号館5階共用会議室B

3 概要   対北朝鮮措置の延長についてでございます。本日の閣議において、我が国の対北朝鮮措置に関し、4月13日で期限が到来する北朝鮮籍船舶の入港禁止措置及び北朝鮮との輸出入禁止措置について、人道的観点から特別の事情がある場合に入港を認める例外措置を含め、期限を2年間延長することが決定されましたので、御報告いたします。この後、官房長官からも正式に発表がある予定でございます。
 連休中の5月3日日曜日から5月6日、諸般の事情が許せばとはなりますが、アメリカのワシントンDC及びニューヨークに出張いたします。ワシントンでは、4日月曜日にアメリカ政府関係者を中心に会談を行います。ニューヨークではお手元に配布した資料にあるように、5日に北朝鮮による拉致を含む人権侵害に関する国際シンポジウムを日本政府主催で開催いたします。
 ワシントンでの会談については、現在調整中でありまして、後日改めてお知らせしたいと思います。拉致問題や領土・主権をめぐる問題を含め、私の担当事項にかかる幅広い関係者にお会いして意見交換を行いたいと考えております。
 ニューヨークでのシンポジウムは、拉致問題を始めとする北朝鮮の人権状況についての国際的な議論をリードしてきた日本が、最近の国際社会の機運の高まりを維持・強化する上で更なる役割を果たすことを目的として開催するものであります。すなわち、昨年のCOI報告書の公表、これを受けた一連の国連人権理事会及び国連総会における決議、安保理での議論、そして、先週の人権理事会決議採択という流れを北朝鮮の人権状況の改善につなげるため、我が国としても更に貢献していきたいということであり、それが拉致問題の解決にも資するという考えであります。
 参加者については現在調整中ですが、私が基調講演を行うほか、マルズキ・ダルスマン国連北朝鮮人権状況特別報告者や拉致被害者御家族等にも、スピーカーとして御参加いただく予定であります。詳細が固まった段階で改めてお知らせしたいと思っております。
 また、いまだ調整中ではありますけれども、ニューヨークでは国連の関係者と海洋分野等に関して意見交換をすることも考えております。

問  今配っていただいている資料なんですけれども、横田拓也さんのお名前が載っていますけれども、どういう思いといいますか、役割を担っているのでしょうか。

答  横田めぐみさんの弟さんでいらっしゃいます拓也さんが、今回御参加いただく予定となっております。本当に姉と弟、引き裂かれて長い長い年月が経っております。御家族の痛切な思いを語っていただき、拉致問題解決につなげていけたらと思っています。

問  北朝鮮に関する制裁措置の2年間の延長ということですが、日朝交渉の中で、未だ初回報告というのがなされていないのですけれども、今の日朝交渉の現状をどのように捉えた上での今回の措置になったのでしょうか。

答  今回の措置は、国連安保理決議に基づきまして、拉致・核・ミサイルの包括的解決を求めるというものでありまして、北朝鮮に対しては拉致被害者を含むすべての日本人に関する調査を迅速に行い、その結果を速やかにかつ正直に通報することを日本としては求めておりますけれども、現時点においては調査結果の通報はございません。本日、閣議において決定したこれらの措置の期限の延長は、北朝鮮をめぐる諸般の事情を総合的に勘案し判断したものであります。北朝鮮が我が国を始めとする国際社会による働き掛けにも関わらず、引き続き国連安保理決議に違反し、挑発的な言動を繰り返しております。平成26年3月には新たな核実験の可能性を示唆する声明を発表したほか、同年3月、6月、7月及び平成27年3月には国連安保理決議に違反して弾道ミサイルを発射しております。拉致・核・ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けた北朝鮮の具体的行動に向けて、国際社会連携していかなければならないと考えております。

問  関連で、近々、家族会の方々とも会われる予定だと思いますが、調整状況と今回の措置についてどのような形で大臣は御説明されるのでしょうか。

答  現在調整中でありまして、どのような内容の元にということは、ちょっと今日は控えさせていただきたいと思います。

問  拉致の関係で、北朝鮮への制裁延長の話なんですけれども、家族会の方は昨年7月に解除した制裁の再発動とか、追加制裁などを強く求めているものですけれども、政府としてこうした再発動や追加制裁を行う考えというか、それについてはどういうふうに考えていらっしゃるのかと、現在、初回報告が遅れている中で、そういう追加制裁とか、制裁の再発動とかを今のところしていないのはなぜかということについてお聞かせください。

答  家族会の皆様からはそうした御意見を聞いているところであります。政府としては、引き続き、北朝鮮に対して迅速に調査を行い、速やかにかつ正直に結果を日本に通報するよう強く求めているところであり、求めていくところでもあります。拉致問題は安倍政権にとって最重要課題であります。対北朝鮮措置については、引き続き、すべての拉致被害者の帰国に向けて、何が効果的かという観点から不断に見直しを行っていくということであります。

問  関連なんですけれども、今回の閣議決定で制裁措置が延長されたというのは、家族会からの強い再制裁を求められて、強い姿勢を示してほしいということを日本政府に求めていましたけれども、そうしたことも背景にあって制裁の延長になったのでしょうか。

答  これは国連安保理決議等々を踏まえてのもので、4月13日に期限が来るということであります。今も申しましたように、引き続き、すべての拉致被害者の帰国に向けて、何が効果的かという観点から、対北朝鮮措置については不断に見直しを行っていく考えであります。

問  今日、この時点までに、例えば北朝鮮が拉致被害者を何名生存とか返してきていれば、おそらく北朝鮮への制裁というのは延長されなかったのではないかと思うのですけれども、これまでに1回目の報告がなされてない、そういったことも延長の背景にあったかどうかということなんですけれども。

答  国連安保理決議違反でありますから、先ほども申しましたミサイルの発射とか、それに対して北朝鮮は何ら国連安保理の決議に従うようなことを行ってきていないわけですから、それに対する措置ということであります。