国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成27年4月23日(木)12:00~12:09

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は全員出席です。議題事項については、「警察庁長官等の評価手続」について実施いたしました。その他、警察庁から報告事項について、報告がございました。以上です。

問  大臣にお尋ねします。昨年一年間のインターネット・ホットラインセンターの運用状況がまとまりました。違法情報・有害情報が相変わらず高水準で報告されています。この件について大臣の所感をお願いします。

答  (大臣)平成26年中インターネット・ホットラインセンターで受理した通報件数は、約15万件で、前年に比べ約2万件増加したところであります。その要因は、海外サイトのわいせつ画像等の違法・有害情報の通報件数が増加したことなどによるものと承知しております。
 海外サイトのわいせつ画像等については、各国の国内法で必ずしも違法とされていないことから、削除が困難な場合が多いのですが、引き続き国内の関係者に対する取締りを推進するとともに、海外のホットラインや国内のフィルタリング事業者等と連携し、国内外の違法情報・有害情報の排除や青少年の閲覧防止に向けた取組を強力に推進するよう、警察を指導してまいりたいと考えております。

問  大臣にお尋ねします。大臣、今日、靖国神社を参拝されたと思うのですけれども、今日は例大祭の最終日になります。昨日は、日中の首脳会談が行われましたけれども、日中首脳会談前に参拝すると影響があるから、それを待って今日にされたということがあるのでしょうか。

答  (大臣)国のために尊い命を捧げられた御英霊に感謝の誠を捧げてまいりました。平和な国作りをお誓いしてまいりました。時期につきましては、総合的に適切な時期を判断いたしました。

問  長官にお尋ねします。昨日、総理官邸で小型無人機が見つかりましたが、小型無人機に対する官邸等の重要施設への今後の警備、それから、今回の事件の捜査状況についてお考えをお聞かせください。

答  (長官)昨日午前中に、総理大臣官邸屋上ヘリポートにおいて、官邸職員が約50センチ大の「ドローン」様のものを発見したものでありまして、現在、警視庁において捜査本部を設置し、捜査を徹底しているところであります。捜査の詳細につきましては、現在、捜査中でありますのでコメントを控えさせていただきます。
 警察としては、現下の厳しいテロ情勢を踏まえ、総理大臣官邸等の重要施設に対する警戒警備の徹底を図っているところでありますが、本件事案の発生を踏まえまして、警察庁は各都道府県警察に対し、重要防護施設上空の監視の徹底、同施設周辺エリアの警戒・検索の徹底等を指示したところであります。
 引き続き、総理大臣官邸を始めとする重要防護施設の警戒警備には、あらゆる事態を想定して万全を尽くしてまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。来年のサミットの開催地が近く発表される見通しですけれども、警備の点からは、三重県の賢島、長野県の軽井沢が有力ということですが、改めてテロの危険も増す中で、警察庁としてこのサミットの警備を注視されている点はどういうようなことなのか、また現在八つの候補地が名乗りを挙げていますが、その中で過去3回の開催の経験を持つ東京での開催の可能性というのも一部出ています。これについての御意見もお願いいたします。

答  (長官)サミットの安全確保につきましては、国際的な要請でもあり、開催地がどこになろうとあらゆる角度から準備を重ね万全を期してまいる所存であります。特に、テロ対策につきましては、国際テロ情勢が非常に厳しい情勢でありますので、国内外での情報収集、あるいは水際対策等を徹底するとともに、関係場所の警戒警備の強化を図り、未然防止の徹底を図っていきたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。昨年中の警察における取調べの、いわゆる可視化、録音・録画の状況がまとまったところです。刑訴法改正案も国会に出ていまして、いずれ法律が通れば裁判員裁判対象事件は原則全過程義務化ということになります。昨年度の取組は、前年度に比べれば大きく数字の面では伸びているところです。警察の取組は、進んできているなというのが数字に表れているかと思うのですけれども、この現状に対する御認識、それから、今後の取組についてお願いします。

答  (長官)警察では、平成21年4月から裁判員裁判対象事件に係る取調べの録音・録画の試行を全国で開始しまして、平成24年4月からは否認事件にも対象を拡大するなど、順次運用してきたところであります。
 各府県においては、試行の目的や趣旨を踏まえて、積極的な取組が行われているものと認識しておりますが、犯人の検挙、真相解明を責務とする警察にとって録音・録画への対応は重い課題であることは事実であります。
 現在、個別事案ごとに捜査への支障の有無等を見極めながら慎重に実施しているところでありますが、総取調べ時間に占める録音・録画時間の割合は未だ約50パーセントにとどまっているほか、取調べの全過程を録音・録画した件数は全体の約2割に過ぎず、なお取り組むべき課題は多いという認識であります。
 現在、取調べの録音・録画制度等を内容とする刑事訴訟法等の改正案が国会に提出されているところでありますが、引き続き、捜査への支障等にも留意しつつ、積極的に試行に取り組むとともに、必要な資機材の整備など、所要の準備を進めてまいる所存であります。

  (大臣)首相官邸屋上において、小型無人機「ドローン」が発見された件でありますが、先ほど長官が申し上げたとおりでございますが、本件は国家の行政機関の中枢である総理大臣官邸に係る事案であります。重大な事案と認識しております。まずは捜査を徹底して進め、事実関係の早急な解明に努めるよう警察を指導してまいりたいと考えております。今後とも情勢に応じ、総理大臣官邸を始めとする重要防護施設の警戒警備に万全を期すよう警察を指導してまいりたいと考えております。