国家公安委員会委員長

1 日時 平成27年9月3日(木)11:26~11:32

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。川本委員は欠席です。議題事項については、「人事案件」について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について、報告がございました。以上です。

問 大臣にお尋ねします。今年上半期の薬物・銃器の犯罪情勢がまとまりました。その中で特に危険ドラッグの検挙の数が前年同期比でかなり増加しました。現状と今後の対策について、大臣の所感をお願いします。

答  (大臣)危険ドラッグ事犯の検挙が増加しているとの御指摘につきましては、改正薬事法が昨年4月に施行されました。指定薬物の単純所持・使用等が処罰対象とされたことから単純に比較することはできないところであります。
 これらの罪を適用するなどして、警察等が積極的な取締りを行ったことなどがその要因として挙げられるところであります。
 また、これまでに把握されていた街頭店舗の閉鎖が確認されたほか、危険ドラッグの使用が原因と疑われる死亡事案が大幅に減少するなど、その対策に一定の効果が上がりつつあると認識しております。
 しかしながら、インターネットを利用して販売されるなど、流通の潜在化が懸念されることから、引き続き、関係機関と連携した取締りや危険ドラッグの危険性についての広報啓発を着実に推進するよう、警察を指導してまいりたいと考えております。

問  長官にお伺いします。上半期のインターネットバンキングに係る不正送金事犯の被害が増加に転じたということで、長官の所見をお願いいたします。

答  (長官)平成27年上半期のインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況は、754件、被害額約15億4,400万円でありまして、昨年下半期は、被害がやや減少していたところでありますが、再び増加に転じており、依然として深刻な被害状況が継続していると認識しております。
 また、本年上半期においては、信用金庫において法人名義口座に係る被害が多発するとともに、農協あるいは労働金庫においても被害が発生するなど、多くの金融機関に被害が拡大している状況にあります。
 警察においては、引き続き、徹底的な取締りを推進するとともに、ウイルスの通信先サーバ対策や事件情報の共有など外国捜査機関との連携の強化、金融機関、ウイルス対策事業者、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)等と連携した被害防止対策を進めてまいる所存であります。

問  長官にお尋ねします。暴力団山口組で山健組などの団体が離脱する、分裂する動きが出ているところであります。最大の組織だけに、他の団体も含めたいろいろな影響なども考えられるところです。山口組の分裂では、過去にも大きな抗争が起きたところであります。現在のこの状況、抗争の可能性も含めて、どういうふうに認識、捉えていらっしゃるのか、また警察としてどういうふうに対応していくのかお願いします。

答  (長官)指定暴力団六代目山口組の傘下組織の一部が山口組を離脱し、新たな団体を立ち上げるとの情報があるということは承知しております。
 現時点において、抗争に関する具体的な情報は把握しておりませんが、過去、組織分裂に端を発した大規模な対立抗争事件が発生し、一般人が巻き込まれるなど、市民生活の脅威となった例もあることから、警察においては、既に情報収集活動を強化するとともに、必要な警戒を実施しているところであります。
 また、昨日、全国の暴力団対策・取締りを担当する課長を集めて緊急会議を実施いたしまして、改めて、関連情報の収集及び報告、警戒の強化、取締りの強化について指示したところであります。
 いずれにしましても、どのような事態が起ころうとも市民生活の安全に万全を期するとともに、今回の離脱動向をとらえまして、山口組を始めとする暴力団の弱体化、壊滅に向けた取組を一層強力に推進してまいる方針であります。