国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成27年9月10日(木)11:10~11:17

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は全員出席です。警察庁から「平成27年全国地域安全運動等の実施」等について、報告がございました。以上です。

問  大臣にお尋ねします。上半期の児童虐待の状況がまとまりました。検挙が過去最多になるなどの報告が上がっていると思います。この件についての大臣の所感をお願いします。

答  (大臣)平成27年上半期の児童虐待事件の検挙件数・人員、376件、387人、被害児童数386人というのは、いずれも統計を取り始めた平成12年以降最多となっております。大変憂慮すべきものと認識しています。
 児童虐待は、何ら抵抗のできない児童に対して、一方的に危害を加え、児童の心身に重大な影響を及ぼす事案であり、被害児童を早期に救出保護し、被害の拡大防止を図ることは警察の重要な責務であります。
 今後とも、児童の安全確認をはじめ、迅速・的確な事件化判断と対処を図るとともに、児童相談所等の関係機関との連携を一層強化するなどして、児童虐待の早期発見と児童の安全確保を最優先とした対応を徹底するよう、警察庁を指導してまいりたいと思います。

問  大臣にお尋ねします。台風から変わった低気圧の影響で記録的な大雨となり、栃木県と茨城県に特別警報が出されています。各地で被害が出てきているようですが、現在の被害状況と警察としての対応についてお聞かせください。

答  (大臣)台風18号等に伴う大雨については、昨夜来大雨が続いた栃木県警察と茨城県警察を含め、関係県警察において情報収集、避難誘導、救出救助等に全力を尽くしてまいりました。
 大規模な人的被害は現時点では発生していないものの、未だ予断を許さない状況にあることから、引き続き関係機関と連携しつつ、情報収集、避難誘導、救出救助に当たるよう、警察庁及び関係県警察を指導する考えです。
 政府では、栃木県で降雨が続き、また、茨城県の鬼怒川で氾濫の可能性が高まっているとして、午前7時45分から緊急参集チーム会議が官邸で開催され、警察庁は警備局長が出席しております。

問  長官にお伺いします。先月から東京都内のJR線路脇で、ケーブルが燃えるなどの不審火が相次いでいます。警視庁では、放火の疑いもあるとみて捜査を始めていますが所感をお願いします。

答  (長官)本年8月中旬以降、東京都内のJR線の線路脇等8箇所においてケーブル等の火災の発生を認知しておりまして、一部の事案では、列車の運行が一時停止されるなど、公共交通機関に多大な影響を及ぼしたものと認識しております。
 警視庁においては、8月31日に捜査本部を設置し、連続犯の可能性も視野に入れて、現在、鋭意捜査を進めているところであります。
 また、警視庁におきましては、JR沿線を管轄する警察署において、沿線におけるパトロール等の警戒警備を強化しておりますが、これに併せましてJRとの連絡を密にしつつ、同沿線における危険個所の実態把握、自主警備強化の要請、不審者・不審物件の通報連絡体制の再確認等の管理者対策の徹底を図るなど、同種事案の防止に努めているところと承知しております。

問  長官にお尋ねします。暴力団山口組の分裂問題ですけれども、その後、山健組など離脱した団体が「神戸山口組」と称し新たな組織を立ち上げるというような動きが出ています。山口組と別の組織ということになれば、暴対法上の対象の外になってくるかと思います。今回の新しい新団体に対する暴対法の指定に向けたお考えをお願いします。

答  (長官)詳細につきましては情報収集中でありますけれども、六代目山口組を離脱した傘下組織が、新たに「神戸山口組」と称する組織を立ち上げたものと認識しております。
 この組織が暴力団対策法に規定された指定の要件を満たすこととなる場合には、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県公安委員会により、指定がなされるものと考えております。
 警察庁といたしましては、速やかに必要な情報収集を行い、暴対法に基づく指定について検討を進めるとともに、指定がなされていない状況においても、取締りを強化することによって、国民の安心安全の確保に全力を挙げるよう各都道府県警察に徹底を図ってまいりたいと考えております。