国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成27年12月3日(木)11:16~11:25

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   国家公安委員会定例会議の議題事項につきましては、「警察官の服制に関する規則等の一部改正」などについて説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、報告事項がございました。私の方からは以上でございます。

問  大臣にお伺いします。マイナンバーをめぐる不審電話が全国で相次いでいます。現金被害もいくつか確認されています。警察を指導する立場として、防犯と捜査の両方の活動が必要かと思います。所見をお願いします。

答  (大臣)警察及び消費生活センターなどにマイナンバーに関連した不審な電話を受けた、あるいは実際に被害に遭った等の相談、通報がございます。警察は、不審電話の件数が10月5日から11月30日までで168件、12月2日現在で被害を認知したものが3件ございます。消費生活センターでは、4月1日から11月30日までの間に139件、不審電話等の件数がございました。被害が遭ったと疑われるものが5件。警察で認知しているのと一つが重複しておりますので、実際に被害が7件と承知しております。12月1日には、栃木県内でマイナンバーの手続に時間がかかるから手続を代行してあげますと言って、8,000円を取っていったというケースだったそうでございます。これは消費者問題を担当する大臣として、あるいは国家公安委員会委員長として、こうした詐欺を未然に防ぐのは極めて大切なことだと思っておりますので、マイナンバーに関して手数料等を要求したり、あるいは個人情報、その他を聞いたりということはありませんということをしっかりと訴えてまいりたいと思います。また、高市総務大臣に、警察に関連する、あるいは消費者に関連する様々なイベントに総務大臣にも出席していただいて、そうした呼びかけを併せてやっていただいております。政府を挙げてマイナンバーに関連した詐欺事件の未然防止、あるいは捜査というところはしっかりやらなければいけないと思っておりますので、チャンスがあればマイナンバーに関してお金を要求したり、あるいはいろいろな情報を聞いたりということは絶対にありませんということを繰り返し申し上げてまいりたいと思います。

問  大臣にお伺いします。昨年9月に導入が始まった環状交差点の運用状況の発表がありました。導入された全国の15都府県では死亡、重傷事故がゼロでした。まだ導入が始まったばかりではありますが、渋滞や重大事故が起きにくいとされる交差点の導入という点では、初期の目標を達成できているとお考えでしょうか。また、今後の課題とか推進についてお考えがあればお聞かせください。

答  (大臣)この環状交差点、ラウンドアバウトというのは、シンガポールに赴任をしておりましたときに、結構あちこちにありましたし、イギリスその他でも経験をしたことがございます。信号で車を停めなくてすむという利点もございますし、安全対策上、有効な手法であるということも理解しておりますが、未だ15都府県49か所に導入がとどまっております。なぜか宮城県が19か所でしたか、宮城県は昔からそういう道路状況が多かったということで随分進んでおりますが、なかなか他府県に広まっておりませんし、例の出会い頭の十勝型と言われる交通事故が多い北海道ではまだ1か所もないと聞いております。交通量が多くなってしまうとなかなか有効ではないかもしれませんけれども、交通量の少ないところは相当有効なのだろうと思っております。県道は交通量が多いからあまり知事と話をしても進まないのではないか、むしろ市町村長に話をすべきではないのかということもございますので、少し車の交通量の少ないところは先日信号の老朽化という報道もございましたけれども、更新をするのではなくて、むしろラウンドアバウト、環状交差点を積極的に入れていってもらうというようなことを検討してもらうような要請をしていかなければいけないかなと思っておりますので、交通量の少ない交差点を中心に信号の導入の替わりに、あるいは信号の更新の替わりにこういうことができないかということを少し検討してまいりたいと思っております。ただ、警察はそういう道路の関係の予算はないものですから、これは予算を持っているところにいろいろとお諮りしていかなければいけないというところはあると思いますが、積極的にやってまいりたいと思っております。

問  長官にお尋ねします。千葉県警で交通死亡事故過小計上という問題があります。兵庫県警では捜査による実況見分調書の不適正事案が相次いで発覚しました。こうした問題を踏まえまして、大臣からは11月中にこうした問題を把握して、正すべきところは正しなさいという御指摘があったところです。一連の問題を踏まえて、警察庁としてはどういうふうに受け止めて、どう対応とられているのかお聞かせください。

答  (長官)千葉県警察におきます交通事故統計に関する不適正事案を踏まえまして、警察庁では改めて交通事故統計の正確性の保持の徹底を求める通達を発出するとともに、管区警察局単位で都道府県警察の担当課長を集め、統計除外に関する幹部のチェック状況や具体的な判断状況について、緊急点検を行い、大臣の御意向も踏まえまして、11月中にこれを終了したところであります。
 その結果、いずれの都道府県警察においても不適切な取扱いは認められなかったところでありますが、さらに適正な処理のためのチェックシステムの整備等を行うこととしておりまして、これらの措置によって、交通事故統計の一層の正確性の保持を図っていきたいと考えております。
 また、兵庫県警察のほか、北海道警察においても交通反則事件の捜査に関する不適正事案が発生したことを受けまして、警察庁では、適正な捜査書類の作成を徹底するよう指導するとともに、これらの事案では、交通反則事件捜査において現場に過重な負担を強いるような運用がなされていることが背景になっていると認められましたので、その見直しにつきましても、これは12月1日になりましたが、全国に指示したところであります。
 今後とも、交通事件について、現場に過重な負担を生じさせることなく、かつ、適正に事案を処理することができるよう、都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

問  大臣にお伺いします。今日、公安委員会は全員出席でよろしいでしょうか。

答  (大臣)今日は、全員出席です。