国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成28年1月14日(木)11:05~11:11

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議につきまして、警察庁から「平成27年刑法犯認知・検挙状況」などについて報告がございました。私からは以上でございます。

問  大臣にお尋ねします。昨年の刑法犯認知・検挙状況がまとまりました。特徴としては、戦後最少の認知件数となっています。大臣の所感をお願いします

答  (大臣)戦後最少の刑法犯認知件数であり、殺人を始め、いろいろな凶悪犯罪の件数も下がり、多くは戦後最少を記録いたしました。防犯ボランティアを始め、地域の様々な皆さんの御協力、御努力をいただいて、こうしたことを達成することができたのは本当に喜ばしいことでありますし、有り難いことだと思っております。ただ、世の中的には連日いろいろな殺人事件の報道もあり、治安が悪くなっていると感じていらっしゃる方が多くいらっしゃるようでございます。実は殺人を始め、刑法犯認知件数はこれだけ下がり戦後最低であり、犯罪率についても戦後最低を記録したわけでございますから、治安はむしろ改善されているということを少し積極的に申し上げなければいけないのかなと。その一方で、振り込め詐欺を始めとする一部被害は増加しております。ストーカー事案、あるいはDV事案といったものも増えておりますので、そうしたことには引き続きしっかり対応しなければならないと思っておりますが、一つは治安が改善されているということ、その中で振り込め詐欺は相変わらず問題であり、DV、ストーカー事案についてもしっかり対応していかなければいけないということで、少しリソースの配分というものを考えていく時期に来たのかなと思っております。いずれにしましても、今回の数字を少し広く世の中に広報して、世界で一番治安が良い国を引き続き目指して頑張っていきたいと思っておりますし、現場の警察官の皆さんにも、是非そうした自覚を持ってこれからも努めていただきたいと思っております。

問  長官にお尋ねします。山口組分裂問題についてですけれども、長官このほど兵庫県に入られまして、県警から情勢報告を受け、訓示もされたということです。現地に入られて感じられたこと、それから分裂以降、これまでの捜査状況も含めて対応についてお願いします。

答  (長官)昨日、兵庫県警に赴きまして、本部長等から県内の両団体の状況等について説明を受け、また、実際に暴力団対策に従事している捜査員約150人に対して督励してまいりました。さらに、県下最大の歓楽街を管轄し、主要な組事務所も管轄内に存在する生田前交番にも行きまして、勤務員から暴力団が絡む事案の取扱いや、分裂後の街の様子などについて話を聞いて激励してまいりました。昨年8月の分裂以降、全国で両団体の関係者、双方による小競り合い、あるいは事件等が相次いでおりますが、双方の拠点が存在する兵庫県内も大変緊迫した情勢下にございます。こうした中で兵庫県警察は、徹底した警戒措置、あるいは二次組織の組長4名を含む組員の大量検挙等によって抗争を未然に防止し、双方の団体の弱体化を進めているという状況でございます。本部長以下、一人一人の捜査員、あるいは交番勤務員等の懸命の取組に敬意を表したいと思います。
 全国の取締りの状況につきましては、昨年9月以降、年末までに26都府県警察において、六代目山口組総本部や双方の二次組織の事務所延べ118か所を捜索し、これらの関連事件で二次組織の組長延べ9名を含む延べ161名の幹部等を検挙しているところでございます。
 引き続き、全国警察を挙げて両団体の弱体化、壊滅に全力を尽くすとともに、市民生活の安全確保に万全を期していきたいと考えております。