国家公安委員会委員長記者会見要旨(警察関連部分のみ)

1 日時 平成28年6月7日(火)10:28~10:44

2 場所 中央合同庁舎8号館5階共用会議室B

3 概要   6月2日、3日、マレーシアのクアラルンプールで開かれました、世界経済フォーラムASEAN会議に出席をいたしました。
 国家公安委員会委員長として御招待を受けまして、自動走行システムの実用化や高度道路交通システムに向けた取組の説明、あるいはアジアの経済成長に向けて、この治安の確保がいかに大事かという観点から治安対策の取組を紹介してまいりました。

問  ヘイトスピーチ対策についてお伺いします。3日に対策法が施行されました。警察庁も現行法を駆使して厳正に取り締まるということを通達していると承知していますが、改めて大臣のヘイトスピーチに対する現状認識と取締りの仕方を教えてください。

答  ヘイトスピーチが許されないという当然のことを体現した法律が、国会で議員立法で成立をいたしましたので、この精神に基づいてこれから様々対応していくことになると思います。
 川崎市は公園の使用許可を出さないという形で対応されましたし、神奈川県の公安委員会の中でも、公安条例に基づく許可についてどうするのかという議論があったと伺っております。なかなか神奈川県の公安条例ですと、その内容で許可を出さないというわけにもこれはいかないのだろうということでございましたが、神奈川県警としては現行法を厳正に適用するというようなことをずっと申し上げていたのだと思います。
 今回の川崎は、デモが始まる前にデモのスタート地点に移動するところで反対をする方々との間で混乱が生じて、デモのスタート地点にたどり着く前に主催者の方の御判断でデモを中止することになったと伺っております。
 なかなか警察が内容で道路使用許可を出す出さないというのは、これは極端なことを言えば検閲にも当たりかねませんから、なかなか警察として道路の使用許可を出す出さないというのを判断するというのは、各都道府県の公安委員会、あるいは都道府県の本部、難しいことだとは思っておりますが、デモに当たっては法令を厳格に適用していくということはこれからもしっかり続けてもらうように指導してまいりたいと思っておりますし、ヘイトスピーチなるものを行おうとしている者に対しては、こういう法律ができているということをきちんとお知らせをするということはしっかり努めていかなければならないと思っておりますので、県警本部長の会議もございますし、公安委員長の会議もこれからございますので、そういった場でしっかり意見交換をしてまいりたいと思っております。

問  関連してもう一点だけ。今大臣もおっしゃいましたけれども、川崎のデモに関しては川崎市の方で公園の使用を許可しないとかですね、あるいは地裁支部なんかもコリアンの集住地域のところで事実上、デモを禁じるような仮処分を決定しました。このあたりの動きについては大臣どのように改めて思われていますでしょうか。

答  川崎市の御判断について、私からとやかく申し上げるべきではないと思っておりますが、警察としてはやはりヘイトスピーチに関して司法の判断を積み上げていくというのは非常に大事なことだと思っております。司法が出された判断を、やはり警察としてはきちんと準用していくということにして、この問題に対処していかなければいけないのかなと。警察が自ら判断するというのは、これはなかなか難しいと思いますが、裁判所の判断をきちんと仰いだうえで、それを適切に使っていくということなのだろうと思っております。