国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成28年6月9日(木)11:27~11:33

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議につきましては、報告案件のみでございます。警察庁から、沖縄県における犯罪抑止に関する対策、北海道における行方不明男児の発見などについて報告がございました。

問 大臣にお伺いします。先日、川崎市内でヘイトスピーチデモを巡る大きな混乱が起きました。警察庁としては全国の警察に不測の事態には厳正に対処するよう通達を出しているところです。今後も同様の混乱が起きると予想されます。大臣の所見をお願いします。

答 (大臣)今後も同様の混乱が起きないように、デモの参加者のみならず、反対する方、双方が違法行為になるようなことがないよう、冷静に行動していただきたいと思っております。
 ヘイトスピーチの対策法が施行されて、しっかりその法の精神を理解してそれぞれの方々には発言・行動をしていただきたいと思っております。道路使用許可、あるいはデモに関する公安条例の申請がなされた場合には、都道府県の公安委員会は法令に基づいて今後も適切に判断をされると思っております。
 警察は、デモ及び参加される方あるいは反対される方の間のトラブルが起きないように違法行為の未然防止という観点から、必要な警備措置は今後ともしっかり取ってまいりたいと思っておりますし、このデモに関わる中で違法行為があれば、引き続き厳正に対処していくということになるだろうと思っております。川崎の場合には、デモの出発地点に移動する段階で安全を確保する観点から必要な助言を警察から行ったところ、主催者がデモを中止するという御判断をされたと伺っております。それが違法行為につながることがないように、最初に申し上げましたが、デモ参加者、あるいはデモに反対する方々、双方に冷静な対応をお願いしていきたいと思います。

問 長官にお尋ねします。全国のコンビニのATMで偽造カードを使って一気に18億円くらいでしょうか、引き出される事件が起きているところですが、警視庁や愛知で、引き出し役のいわゆる出し子と言われる被疑者を逮捕して、関係警察で捜査しているところかと思いますが、非常に広域、それから組織性もうかがえる事件だと思います。この事件についての所感をお願いします。

答 (長官)御指摘の事件につきましては、5月15日、17都府県において、コンビニエンスストア等約1,600か所に設置されたATM約1,700台で、南アフリカ共和国所在の金融機関が保有する約3,000件の顧客情報が書き込まれた偽造カードが使用されまして、合計約18億6千万円が不正に引き出されたものであります。これまで、5月31日に愛知県警察が現金合計120万円を引き出したという事実で被疑者2名を検挙し、6月6日には警視庁が現金合計70万円を引き出したとして被疑者1名を検挙しているところであります。
 本件は、短時間のうちに、広域的に極めて多数のATMを使用して一斉に行われておりまして、また、海外の大量のデータが使われるなど、犯行の組織性、国際性を強く推認させるものであります。現在、関係警察が連携し、また、海外の捜査機関ともICPOを通じて必要な情報交換を行うなどして、国内外の犯罪組織との関係も含めて、本件の全容解明に向けて捜査を進めているところであります。
 警察庁といたしましても、引き続き関係警察を指導・調整するとともに、外国機関との連携に当たるなど、その役割を十分に果たしていきたいと考えております。