国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成28年6月23日(木)11:35~11:44

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   今日の国家公安委員会定例会議について申し上げますと、警察庁から、五代目共政会など、4団体の指定の確認がございまして、原案どおり決定をいたしました。その他、報告事項がございました。

問 大臣にお伺いします。特定危険指定暴力団「工藤會」系組幹部の裁判員裁判をめぐって、裁判員を威嚇したという容疑で元組幹部らが逮捕されました。以前から危惧されていた事態が実際起きてしまいましたが、速やかな逮捕で隔離したという成果もあったと思います。この事件についての大臣の所見をお願いします。

答 (大臣)裁判員制度の根幹にも関わる事件でございますので、こうした悪質な事案は断固再発を防止しなければいけないと思いますし、厳正に対処する必要があると思っています。福岡県警が今、全容解明をしっかりやろうと捜査を推進していると思いますので、そこのところは全容を明らかにしていかなければならないと思いますし、裁判員の方々に御迷惑を掛けないようにしっかり対応していかなければいけない問題だと思います。そこは厳正にこれからもやってまいりたいと思います。

問 大臣にお伺いします。北海道警帯広署で酒気帯びの事案が発覚してからまだ間もないのですけれども、道警の薬物銃器対策の警部補が証拠隠滅の容疑で逮捕されました。相次ぐ北海道警の不祥事について所見をお伺いします。

答 (大臣)飲酒の事案については、公安委員会でも、警察官の不祥事に関して、少なくとも飲酒の事案についてはゼロを目指すべきだし、ゼロにすることができるはずだという議論が行われていた、まさにその矢先でありましたので、しかも北海道の飲酒運転撲滅期間の最中ということもあって、本当に、誠に申し訳ないとお詫びをするしかないと思います。朝4時半くらいまで酒を飲んだ上での事故でございますので、酒を飲むなとは言いませんが、警察官としてやはり自覚をもった飲酒、酒のたしなみというのはあるのだろうと思いますので、そこは道警の幹部以下、襟を正していただきたいと思います。また、この巡査は二人とも非常に若い、20歳ですか、酒を飲める年齢になったばかりで、酒の飲み方もよく分からないという状況なのかもしれませんが、しっかりと飲酒についての教養をやると同時に、採用に当たっても、しっかりと基準を設けて採用をしていくべきだろうと思っています。もう一つの覚醒剤にまつわる事件については、北海道警が全容解明をせねばならないと思います。しっかりと対応してもらいたいと思っております。国家公安委員会委員長として、個人的には監察がきちんと機能したということなのだろうと思う部分はありますが、世の中から見れば、むしろそれを未然に防げなかったというところが問題なわけで、あまり胸を張れるということでは決してないと思います。しっかりと全容を解明して、これも同じように再発防止に努めなければならないと思います。やはり警察は国民の皆様に信頼されてなんぼというところがあります。様々な事件を防ぐためにも、あるいは交通事故を防止するためにも、警察官が率先垂範、模範とならなければいけないというところであるにもかかわらず、こうした事件が続けざまに起こるというのは信頼にも関わってくるわけでございますので、北海道に限らず、全国の都道府県の警察を、警察庁を通じてしっかりと、こうした不祥事が起きないよう指導してまいりたいと思います。

問 長官にお尋ねします。東京都小金井市で大学生の女性が男に刃物で刺された事件の関係ですけれども、警視庁が先週、再発防止などをまとめて、これを踏まえて警察庁も月曜日、全国に通達を出したところです。本部はしっかり広く関与せよと、あるいはSNSの内容などにも考慮せよといった内容かと思います。今回の事件から得られている教訓、それをどのように全国に共有していくか、その点についてお聞かせください。

答 (長官)先月、小金井市内でライブ活動をしておられます女性が男性に刃物で刺されるなどして重傷を負った事件に関しまして、今般、警視庁において、再発防止対策を取りまとめ、各警察署等に指示をしたものと承知をしております。
 これを踏まえまして、警察庁においてもその教訓を全国で共有すべく、6月20日付で、各都道府県警察に対しまして、相談受理時に危険性・緊急性の判断が困難なケースについては、広く人身安全関連事案として捉え、本部への速報による組織的な対応を徹底すること、またSNS等によるやり取りのみの事案に対しましても、事態が急展開して重大な被害が発生する恐れがあることを念頭に置いた対処を徹底すること、さらに110番緊急システムが迅速かつ的確な指令を行い得るものとなるよう確認・改善を図るとともに、指令担当者等の実践的訓練を徹底することなどを指示したところであります。警察としましては、この事件が示した教訓を全国警察で大事にいたしまして、どのようなケースであっても相談者の身に迫る危険性を正しく判断し、迅速な組織的対応によって相談者を危険から守る、そういう力を一層強化してまいりたいと考えております。