国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成28年9月1日(木)11:40~11:45

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況につきまして申し上げます。松本国家公安委員会委員長は、政府の総合防災訓練への参加のために欠席でした。警察庁から人事案件について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。以上です。

問 長官に伺います。今年上半期の暴力団情勢がまとまりました。全体では検挙者数が減少となりましたが、抗争状態にある六代目山口組と神戸山口組に限ると増加しました。所感をお願いします。

答 (長官)平成28年の上半期につきましては、暴力団構成員等の検挙人員が9,426人、検挙件数が17,318件と、前年同期と比較しましていずれも減少したところであります。一方で先ほどありましたように、六代目山口組と神戸山口組の対立抗争に起因するとみられます不法行為が各地で発生するなど、情勢は予断を許さないものと認識しております。
 このような情勢を踏まえまして、六代目山口組と神戸山口組の両団体に対する集中取締りを始めとする取締りの徹底、暴力団対策法の効果的な活用、暴力団排除の取組の推進、更には警戒活動の徹底など、暴力団の弱体化・壊滅に向けた取組を今後とも一層推進してまいりたいと考えております。

問 長官にお尋ねします。和歌山市の土木建設会社で、従業員を銃撃して逃走した男が、住宅街で立てこもる事件がありました。男は昨夜、自分の腹を撃って死亡しましたが、立てこもりは17時間以上にもおよび、地域にも大きな不安が広がったと思います。男が逃走した後の県警の対応などについて長官の所感をお願いします。

答 (長官)事実関係については御案内のとおりでありますが、8月29日、和歌山市内の会社事務所で男性4人が拳銃で撃たれまして、1人が死亡、3人が負傷した事件が発生しまして、被疑者を公開手配して行方を追っておりました。
 その後、和歌山市内において逃走中の被疑者を発見し、和歌山県警察が説得交渉をしておりましたが、昨日、被疑者は自ら腹部を拳銃で撃ち、搬送先の病院で死亡が確認されたということであります。
 拳銃が使用された凶悪な事件が発生し、また地域住民の不安も極めて大きいということでありますので、事件認知後の早い段階から、防災無線、防犯メール等によりまして、被疑者が拳銃を所持したまま逃走していることなどにつきまして、住民の方々や学校関係者に情報提供するとともに、直近の住民の方々につきましては、避難・救出などをしまして、安全対策を講じたところであります。
 今回、残念ながら被疑者は死亡したところでありますけれども、今後、和歌山県警察におきまして、引き続き、事案の解明に向けて、必要な捜査を進めてまいるものと承知しております。

問 長官にお尋ねします。大分県警の別府警察署ですけれども、労組などが入る建物の敷地に無断で入り込んで、カメラを隠して設置するという問題がありました。県警はこのほど、署幹部を含む4人でしょうか、書類送検して懲戒を含む処分をしたところで、極めてずさんで不適切な事案だなと思いますけれども、警察庁としてカメラの適正使用の徹底という指示は出したと伺っておりますけれども、この事案について所感をお願いします。

答 (長官)お尋ねの事案につきましては、大分県の別府警察署におきまして、参議院議員選挙違反取締りに際しまして、他人の管理する敷地内に無断で立ち入り、ビデオカメラを設置して敷地内を撮影したものと承知しております。
 当該行為は、建造物侵入罪に該当する違法行為である上、その必要性・相当性も認められないということで、不適正な捜査だったと大分県警察において判断したものと承知しております。
 大分県警察におきましては、8月26日に、関係捜査員を建造物侵入罪で大分地方検察庁に送致するとともに、関係捜査員及び警察署幹部につきまして、懲戒処分等の厳正な処分を行ったものと承知しております。
 このような不適正な捜査が行われたことは誠に遺憾でありまして、この事案を受けて捜査用ビデオカメラの適正使用の徹底につきまして指示したところでありますけれども、再発防止の徹底を図るために、引き続き都道府県警察を指導してまいる所存であります。