国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成28年11月10日(木)11:42~11:48

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。警察庁から人事案件について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。私からは以上です。

問 大臣にお伺いいたします。横浜市や千葉県内でもございましたが、登下校中の児童が交通事故に巻き込まれるケースが相次いでおります。高齢ドライバーによる事故防止に向けた取組ですとか、登下校中の児童の安全をどのように確保していくのかについて、大臣の御所見を伺いたいと思っております。

答 (大臣)御指摘の両事案とも、集団登校中の小学生が自動車にひかれたものであり、大変痛ましく、亡くなられた男の子の御冥福をお祈りするとともに、御遺族には心よりお悔やみを申し上げます。また、怪我をされた方々の一日も早い回復をお祈りしているところでございます。
 通学路の交通安全対策は、子供を交通事故から守るために、非常に重要と認識しております。
 このため、警察におきましては、学校、道路管理者等との合同点検や、その結果に基づく信号機や横断歩道の設置、交通安全教育の充実、通学路における交通指導取締りの強化など、通学路の交通安全の確保に向けた対策を講じているところでございます。悲惨な交通事故が繰り返されないためにも、引き続き、通学路における交通安全の確保に向けて、文部科学省、国土交通省との連携をより一層強化するよう、警察庁を指導してまいりたいと存じます。
 また、横浜市の事案のような悲惨な事故を防ぐためには、高齢運転者対策は喫緊の課題と認識しております。来年3月12日に施行されます改正道路交通法により、認知機能が低下しているおそれがある高齢運転者をタイムリーに把握し、医師の診断や臨時の高齢者講習を受けていただくことができる制度が導入されることから、この新制度が円滑に運用されるよう、警察を指導してまいりたいと存じます。

問 長官にお尋ねします。今年1月から9月までの特殊詐欺の状況がまとまりました。前年同期に比べると、被害額がかなり減少し、対策が進んでいます。特に実行犯検挙だけじゃなくて、アジトを提供する者たちの検挙なども対策の効果に資していると思います。とはいえ、被害額は依然高水準でありまして、これまでの対策の経緯、今後の取組をお願いいたします。

答 (長官)本年9月末現在の特殊詐欺情勢は、被害額につきましては前年同期に比べて16.5パーセント減少しているものの、認知件数につきましては前年並みの高水準で推移しておりまして、依然として厳しい情勢であると認識しております。
 特殊詐欺の撲滅のためには、犯行拠点の摘発ですとか、だまされた振り作戦の推進等による被疑者の検挙に加えて、携帯電話を始めとした特殊詐欺に悪用される、いわゆる犯行ツールに着目した取締りを行い、その供給を遮断することも重要であります。この点、今般、警視庁におきまして、特殊詐欺の犯行グループに犯行拠点を提供していた者7名を詐欺罪で検挙したということであります。犯行拠点に使用される賃貸物件等は、まさに特殊詐欺の犯行ツールにほかならないものでありまして、その供給に対する取締りは大変有効であると認識しております。
 警察としましては、引き続き、特殊詐欺の撲滅のために、犯行グループの検挙と犯行ツールの遮断の両面から、徹底した取締りを進めてまいりたいと思っております。

問 長官にお尋ねします。神宮外苑のイベント会場で展示物が燃えまして、5歳の男の子が亡くなるという火災がありましたけれども、大変痛ましい事故かと思います。警視庁においても捜査をしていると承知していますが、電球が発火の原因だったんじゃないかという見方もあるのですけれども、この原因を究明していると思いますけど、この事案についての所感をお願いいたします。

答 (長官)今回の事案で亡くなられた方の御冥福をお祈りしますとともに、御遺族にお悔み申し上げたいと思います。
 本件は、イベント会場内の展示物が激しく炎上し、その場所で遊んでいた5歳の男児が亡くなったものでありまして、来場者の不安はもとより、イベント会場等における安全性を含めて社会的関心も非常に高い事案であると認識しております。
 現在、警視庁において、現場の検証、関係者からの事情聴取等を行っているところでありまして、今後、出火原因の特定、安全管理状況の確認等を含めまして、事案の全容解明に向けた捜査を進めているところでございまして、これを督励してまいりたいと思っております。