国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成29年2月23日(木)11:17~11:23

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。警察庁から、人事案件について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。私からは以上です。

問 大臣にお尋ねします。昨年1年間の交通死亡事故の分析が整いました。道路左側から来る車両と衝突するケースが多いことや、一般の死亡事故より飲酒運転の死亡事故率が8倍以上という特徴が明らかになりました。交通死亡事故の現状と、警察の今後の対策についてお願いします。

答 (大臣)平成28年の交通事故死者数は3,904人で、昭和24年以来、67年ぶりの3千人台となりました。人口当たりで見ましても、近年、高齢者を含めて全ての年齢層で減少傾向にございます。これは、これまでの事故分析の結果等に基づいて、官民一体となって交通事故防止に取り組んだ結果であるものと認識しているところでございます。
 これまでも様々な分析を行い、それに基づいた効果的な交通安全対策を講じてきたところでございますが、今回の詳細分析によりまして、歩行者や自転車乗用中の方が死亡する事故は、依然として歩行者・自転車側にも法令違反が多いこと、また、交差点での自転車死亡事故については、左からの進行車両と衝突する事故が多いことなどが判明したところでございます。
 今回の警察庁での分析結果を、本日、各都道府県警察に通知いたします。各都道府県警察におきましては、更に各地域の事故実態に応じた分析を加えていただき、交通安全教育をはじめとする様々な対策を推進するよう、警察を指導してまいりたいと思います。
 国民の皆様には、道路を歩くときや自転車を利用するときにも、交通ルールを守っていただき、安全の確保をお願いしたいと思います。
 また、昨年は飲酒死亡事故が前年よりも増加しております。飲酒運転による悲惨な事故を防止するため、警察においては、飲酒運転の危険性等についての広報啓発、指導・取締りを徹底してまいりますので、国民の皆様には、飲酒運転を許さない社会の実現に御協力を是非お願い申し上げたいと思います。

問 長官にお尋ねします。暴力団山口組ですけれども、一昨年8月の分裂からちょうど1年半になるところです。対立抗争に伴う事案は比較的、落ち着いているように見えますけれども、現在までの状況、それから警察としての対応、取組についてお聞かせください。

答 (長官)六代目山口組と神戸山口組が対立抗争の状態にあると判断した昨年の3月7日以降、昨日までに両団体の対立抗争の可能性のある事件は19都道府県で43件発生しているという報告を受けております。そのうち銃器発砲事件は6件、火炎瓶様のものが使用された事件が3件、車両が突入した事件は9件発生しているところであります。
 これらの事件のうち、被疑者を検挙した事件は29件で、両団体の構成員等155人を検挙している他、抗争状態にあると判断した昨年3月7日以降の全国警察を挙げての両団体に対する集中取締りによりまして、2月19日までの間に、抗争関連を含む各種不法行為で、双方の構成員を合わせて1,917人を逮捕しているところであります。
 引き続き、一般市民の巻き添えを防止するための警戒を徹底するとともに、依然として今回の抗争が一般市民に大きな不安を与えていることから、両団体に対する集中取締りや暴力団対策法の活用、暴力団排除活動により両団体の弱体化・壊滅を図ってまいる所存であります。