国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成29年4月13日(木)11:34~11:41

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。松本国家公安委員会委員長は会議には出席されましたが、国会対応のため、私が会見を代理いたします。警察庁から、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令案」について説明がありまして、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。以上です。

問 長官にお尋ねします。遠隔型自動走行システムの公道実験の基準案についてパブリックコメントが行われました。産業界からは期待が大きい反面ですね、道路上の安全確保という意見もあります。長官の所見をお願いします。

答 (長官)自動運転技術は、我が国の将来における交通事故の削減や渋滞の緩和を図る上で不可欠な技術になると考えられまして、警察としても、その進展を支援する観点から、積極的に取組を進めております。
 この度、有識者を交えた警察庁の調査検討委員会における検討を経て、遠隔型自動走行システムの公道実証実験に係る道路使用許可の申請に対する取扱いの基準案を公表することとしました。
 この度定めようとする基準では、遠隔型自動走行システムの公道実証実験の道路使用許可に関しまして、一定の安全性を確保するための条件を付し、実験主体の設定する環境に応じて走行審査を行った上で許可することとしておりまして、これにより、日本全国において、一定の安全性を確保しながら実験を円滑に実施することが可能となるものと認識しております。
 今後、パブリックコメントの結果を踏まえた上で、基準として策定・公表する予定でありますが、自動運転に係る技術開発の進展に資するものと認識しております。
 今後とも、自動運転の早期の実現に向け、交通の安全と円滑の観点から必要な取組を推進してまいる所存であります。

問 長官に対してお尋ねします。犯罪被害給付制度に関する有識者検討会が、先日、初会合が開かれまして、この制度は過去にもいろいろ支給要件の緩和の可否について話し合いが重ねられたと思うのですけれども、今回、今までの議論で残された難しい犯罪、親族間犯罪の被害者に対する給付の在り方などについての議論が今後重ねられると思うのですけれども、犯罪被害給付制度の役割や本検討会に対する長官の期待等、御所見をお伺いします。

答 (長官)犯罪被害給付制度は、通り魔殺人等の犯罪行為によりまして不慮の重大な被害を受けたにもかかわらず、何らの救済をも得られない犯罪被害者等に対しまして、国が社会連帯共助の精神に基づいて給付金を支給するものでありまして、昭和56年の制度運用開始以降、犯罪被害等の早期の軽減に重要な役割を果たしているものと認識しております。
 犯罪被害給付制度の在り方につきましては、昨年4月1日に閣議決定されました第3次犯罪被害者等基本計画におきまして、犯罪被害給付制度に関する検討が盛り込まれたことから、これまで警察庁において、1年をかけまして所要の調査を実施してまいりました。
 この調査の結果を踏まえて、先日、第1回の「犯罪被害給付制度に関する有識者検討会」が開催されましたが、今後、数回の検討を経て、本年夏頃までに提言を取りまとめることを予定しております。
 今後、有識者検討会において実り多い議論が行われまして、警察における犯罪被害者支援がより一層充実したものとなるように、取り組んでまいりたいと考えております。

問 長官にお尋ねします。熊本地震から1年になるところです。今回、警察庁は熊本地震での警察による救助活動について詳細に調査分析したところで発表になったところですけれども、いろいろ見えてきた特徴があろうかと思います。今回の調査から得られた教訓、今後の訓練にどのように活かしていくかも含めまして、今回の調査分析につきましての所見をお願いします。

答 (長官)熊本地震からまもなく1年を迎えますが、お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対しましては心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 発災以降、熊本県警察に対しましては、41都府県警察から延べ約2万8千人の警察災害派遣隊を特別派遣し、被災者の救出救助、避難誘導、被災地のパトロール活動等を行ってきたところであります。
 この度、警察が主導して行った救助活動に関するデータと分析結果を取りまとめたところでありますが、本資料は警察の救助能力の向上のみならず、災害対策全般に資するものと考えております。
 この調査分析の結果を踏まえつつ、将来の大規模災害に備え、全国警察の広域緊急援助隊等の対処能力の向上に努めてまいりたいと考えております。