国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成29年5月18日(木)11:26~11:31

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。警察庁から、世界的規模のランサムウェア感染事案の発生などについて報告がありました。以上です。

問 大臣にお尋ねします。テロ等準備罪を創設する組織的犯罪処罰法の改正案が、今国会で通る見通しになってきました。法案についての大臣の所見をお願いします。

答 (大臣)テロ等準備罪処罰法案につきましては、現在、国会において御議論いただいているところでありまして、引き続き、国会の審議の状況を見守ってまいりたいと存じます。

問 長官にお尋ねします。今、大臣からありましたけれども、世界的規模でランサムウェアというサイバー攻撃が起きているところです。日本国内でも被害が報告されているのですけれども、現在までの被害把握状況、この問題への対策、取組についてお願いします。

答 (長官)今回の事案は、不正プログラムの感染によりまして世界各国で個人、企業・団体を問わず多数の被害が出ているものと承知しておりまして、警察としましても、内閣官房、国内外の関係機関・団体等と連携しつつ、情報収集・分析を行っているところであります。
 いずれにしましても、OSの更新、バックアップの確保等の対策の基本が、個人利用者や事業者等において励行されることが重要と認識しておりまして、警察としましても、この機会に注意を呼びかけてまいりたいと考えております。
 なお、御指摘の事案につきましては、これまで全国の警察において、被害を21件認知しているところであります。

問 長官に御質問させていただきます。今月15日、16日の日程で山口組対策や警備状況の視察・督励のために愛知県や静岡県に出張されたと思うのですけれども、現地でもお話を伺わせていただきましたけれども、改めて出張の御感想をお願いします。

答 (長官)まず、山口組対策でありますが、六代目山口組と神戸山口組は対立抗争の状態にありまして、最近では、神戸山口組について、傘下組織の一部が新たな団体の結成を表明するなどの内部対立の状況にあるなど、情勢は複雑化・流動化しています。
 そういった中で、愛知県に本拠を置く弘道会は、六代目山口組を事実上支配し、対立抗争における中心的な役割を担っておりますが、今回の視察・督励を通じまして、愛知県警察の捜査員が弘道会対策の重要性を理解し、捜査を始めとする諸対策に力強く取り組んでいる姿に感銘を受けるとともに、私自身、弘道会の弱体化・壊滅に向けた決意を新たにしたところであります。
 次に、現下の厳しい警備情勢を踏まえまして、愛知県警察の特殊部隊SATによる訓練と静岡県警察による浜岡原子力発電所の警備状況を視察し、部隊員を督励しました。
 今回の視察・督励を通じて、いずれの隊員も士気は高く、緊張感を持って任務に当たっており、テロの脅威に対してしっかりと備えていることを心強く感じるとともに、その任務の重要性を再認識したところであります。
 引き続き、あらゆる事態に適切に対応できるようテロ対策に万全を期してまいりたいと考えております。