国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成29年6月8日(木)11:51~11:57

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。警察庁から、警察庁指定重要指名手配被疑者の検挙などについて報告がございました。以上です。

問 大臣にお尋ねします。来週、改正ストーカー規制法が施行されます。これまで以上に警察が機敏に対応することが可能となります。改正法の施行について大臣の所見をお願いします。

答 (大臣)ストーカー事案は、事態が急展開して殺人等の重大事件に発展するおそれが大きいために、被害者の安全確保を最優先にしつつ、迅速・的確に対処することが重要であります。
 来週14日から全面施行される改正ストーカー規制法によりまして、警告を経ずに禁止命令を発出するなど、一層迅速かつ効果的な対処が可能となるものと承知しております。
 改正後のストーカー規制法を活用し、ストーカー対策の更なる充実を図るよう、警察を指導してまいりたいと思います。

問 大臣にお伺いします。先日、兵庫県警が暴力団神戸山口組の組長を逮捕しました。六代目山口組との対立抗争にあり、神戸山口組自体も分裂騒動がある中での逮捕となりましたが、これに対しての受け止めと、警察の取組などについても併せてお伺いします。

答 (大臣)御指摘の事件については、6月6日、兵庫県警察において、指定暴力団神戸山口組組長を詐欺罪で逮捕し、今後、その全容解明に向け鋭意捜査を推進していくとの報告を受けているところでございます。
 現在、六代目山口組と神戸山口組が対立抗争の状態にある中で、最近では、神戸山口組について、傘下組織の一部が別団体の結成を表明し内部対立の状況にあるなど、暴力団情勢は複雑化・流動化しているものと認識しているところでございます。
 引き続き、一般市民の巻き添えを防止するための警戒を徹底するとともに、両団体に対する集中取締り等、暴力団の弱体化・壊滅に向けた総合的な対策を推進するよう警察を指導してまいりたいと存じます。

問 長官にお尋ねします。福岡市で金塊が盗まれた盗難事件に絡んで、愛知県警の警察官が逮捕前の容疑者側に捜査情報を漏らしていたのではないかという疑いがありました。愛知では、以前にも捜査員による情報漏洩という事件も起きているところ、徹底的な解明をきちんと警察としてもすべきと思いますけれども、この問題についての受け止め、対応についてお願いします。

答 (長官)お尋ねの事件につきましては、昨年の7月に、福岡市博多区において、搬送中の金塊が窃取された事件でありまして、福岡県警察と愛知県警察の共同捜査によりまして、これまでに被疑者10名を窃盗罪等で逮捕し、現在、全容解明に向けて捜査を推進しているものであります。
 本件窃盗事件に関しまして、御指摘のような報道がなされているところでありますが、愛知県警察におきましては、報道にあったような事実の有無について確認を進めることとしているものと承知しております。
 一般論として、捜査を行うに当たっては、秘密を厳守し、捜査の遂行に支障を及ぼさないように注意しなければならない旨、犯罪捜査規範でも規定されているところでありまして、今後とも捜査情報の厳格な管理につきまして、都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

問 長官にお尋ねします。昨日、警視庁が、46年前の渋谷暴動事件に関連しまして、大坂容疑者を殺人などの疑いで逮捕しました。この事件に関しての長官の受け止めと、今後の警察の取組についてお伺いします。

答 (長官)お尋ねの件につきましては、警視庁が6月7日、昨日でありますが、指名手配被疑者の大坂正明を逮捕したとの報告を受けております。
 具体的な捜査状況につきましては、今後の捜査に支障があることから、お答えは差し控えますが、大阪府警察が5月18日に公務執行妨害で逮捕した後、関係都道府県警察が所要の捜査を推進した結果、今般の逮捕に至ったと承知しております。
 45年以上にわたり逃亡を続けていました重要指名手配被疑者を逮捕したことは、これまでの地道な捜査が結実したものと考えておりますが、引き続き所要の捜査を推進し、全容解明に努めてまいりたいと考えております。