国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成30年2月15日(木)11:30~11:35

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。警察庁から、 人事案件について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から、平成29年における交通死亡事故の特徴などについて報告がございました。私からは以上です。

問 大臣にお尋ねします。昨年一年間の交通事故の分析が公表されました。その分析結果についての受け止めと、今後の警察の取組についてお願いします。 

答 (大臣)年始に発表いたしましたが、昨年の交通事故死者数は3,694人で、昭和23年以降最少となりました。これは、最も多かった昭和45年と比べて4分の1以下の水準であり、また、当時から運転免許保有者数や車両保有台数が3倍以上となっていることを踏まえると、大幅に状況が改善されたと申し上げました。
 今回、警察庁は高齢運転者と自転車、これに着目した分析を行っておりまして、国民の皆様の安全のためにもこの場で、ポイントを御紹介したいと思います。
 まず、高齢運転者については、高齢になるほど死亡事故を起こしやすい傾向が続いています。また、今回の分析を見ますと、死亡事故に認知機能の低下が影響しているということがうかがわれます。
 先般の世論調査ですが、高齢者は、人から運転免許証の返納を勧められるよりも、御自身で身体能力の低下、これを自覚された場合、運転免許証を返納しようと考える方が多いという傾向なんですね。
 例えば、高齢運転者の御家族の方々ですけれども、運転者と、娘さんやあるいはお孫さんが一緒に乗られるケースもあるんだと思います。そういう時に、「ちょっとおじいちゃん危ないな。」ということを感じられる場合があると思うんですね。それは、一緒に乗車された時に気付かれたり、あるいは今度一緒に乗られる前に、「おじいちゃん、控えた方が良いんじゃないの。」とその一言を、言う言わないでも随分違うのではないかと私は思います。
 ですから、家族の方々に、タイミングも含めてなんでしょうけれども、そういう指摘をするということは、非常に大切な話になってくると。ここまで高齢運転者の死亡事故が多くなってくるということを考えますと、私たちはもちろん、警察を指導していく立場としてそれは厳しく思っておりますけれども、多くの皆さんの中でも、先週も家族の話をいたしましたけれども、このことにおいても、家族同士の指摘というのは大切になってくると思いました。
 自転車関連事故について見ますと、自転車側にも交通ルールを守っていない傾向がうかがわれるということ。自転車を利用される方には、交通ルールやマナーを遵守していただくように、これも強くお願いをしたいと思います。

問 長官に伺います。取調べ監督制度の施行状況が公表されました。前年よりも件数は減っているのですけれども、懲戒処分がないということなんですけれども、こういうケースが続くと、警察の信頼の低下につながりかねないものとも思います。これについての受け止めと、今後の対応について教えてください。

答 (長官)適正で的確な取調べというものは、事件を立件し、解決する上で重要だということは言うまでもありません。このための取組というものを続けてきておりまして、おおむね定着しつつあると考えています。これは、今回の結果にも表れていると思います。
 改正刑事訴訟法の施行も控えておりますし、引き続き、被疑者取調べの適正化に向けた各種の措置、各種の取組を進めてまいりたいと考えています。