国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成30年5月31日(木)11:31~11:38

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。警察庁から、道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案などについて説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。以上です。

問 大臣にお尋ねします。児童の性的搾取対策に関する関係省庁連絡会議が、先日、開催されました。児童の性的搾取に関する現状認識と、今後の警察の取組について教えてください。

答 (大臣)子供の性被害をめぐる情勢は、昨年、児童ポルノ事犯の検挙人員が過去最多を更新したほか、SNSの利用に起因して性的な被害に遭う児童が増加傾向にあるなど、厳しい状況にあります。
 政府では、昨年、国民意識の向上、被害児童の保護、国際社会への発信などを含む、子供の性被害防止プランを策定したところであります。
 取組は緒に就いたばかりであり、自治体、NPO、民間事業者等と緊密な連携を図りつつ、関係省庁が一体となって、対策を総合的に進めていかなければなりません。
 警察においても、子供の性被害に係る犯罪の取締りや被害児童の保護等が一層推進されるよう指導してまいりたいと思います。

問 大臣にお尋ねします。神奈川県茅ケ崎市で、90歳の女性が運転する車に歩行者と見られる4人が死傷する事故が起きました。こうした事故が相次ぐ中で、運転免許の年齢に上限を設けるべきではないかという意見もあるのですが、こうした考え方については、大臣どのように思われますでしょうか。

答 (大臣)まずは、今回の事故で亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、御遺族にはお悔みを申し上げ、また、負傷された方々の御回復を祈りたいと存じます。
 今回の事故の原因について、現在捜査中でありますので、その結果を待つ必要があると思っています。
 その上で申し上げると、高齢の運転免許保有者は、今後、一層の増加が見込まれ、高齢運転者の交通事故防止対策は重要な課題であると認識しています。
 警察庁では、高齢者の特性に応じたきめ細かな対策について有識者会議で議論してきており、現在は、運転免許制度の在り方についても分科会を開催し、様々な観点から検討を進めております。
 今後とも、高齢運転者の交通事故防止に向けて総合的な対策を講じてまいりたいと存じます。
 また、制度面からの検討はしっかりと進めていかなければなりませんが、この問題については、私もかねがねお話をしてまいりましたように、今、行われていることでもありますけれども、家族や周りの方々がしっかりと声を掛け合う、家族間、地域間で話をしていただきたい。また、警察の相談窓口等もありますので利用していただきたいと、こういうことも引き続き発信してまいりたいと思っています。

問 長官にお尋ねします。いわゆる日本版司法取引と呼ばれていますけれども、制度が6月、明日から施行になるところです。検察官の権限による制度ですけれども、警察も関わってくる場面あるでしょうし、この度、犯罪捜査規範の改正もありました。この制度に対するお考え、警察としての取組についてお願いします。

答 (長官)今回導入されます合意制度は、検察官の訴追裁量権を基礎としておりまして、警察の関与は一定の限度にとどまるものであります。
 そこで、警察としましては、検察庁における運用の在り方を見つつ、法令に則って制度の効果が上がるよう、検察庁と緊密に連携してまいりたいと考えています。

問 長官にお尋ねします。2004年9月に岡山県津山市で起きた、小3女児殺害事件で、県警が昨日、服役中の男を逮捕しました。捜査は14年という長期に及びましたが、長官の受け止めと、今後の警察の取組についてお願いします。

答 (長官)まず、14年も経ってしまいましたが、今なお、本当に痛ましい事件だと思います。改めて被害者の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方々にお悔みを申し上げたいと思います。
 岡山県警察が地道に捜査を続け、被疑者の逮捕に至りましたが、今後、事案の全容解明に向けて、捜査に努めていくものと考えます。
 事件の立件を踏まえてからのことにはなると思いますけれども、児童を守る社会全体の取組に活かしていかなければならないと考えております。
 (大臣)この件につきまして、14年前の事件でありますが、私も改めて亡くなった児童について御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆さんの気持ちを思うと、言葉もない思いでありますけれども、今回の検挙の報に接し、子供の安全確保に政府を挙げてしっかりと取り組んでいかなければいけないと、この気持ちを強くいたしました。
 先般、会見でもお話をいたしましたが、新潟市における児童の殺害事件もございました。それについて、登下校時の子供の安全確保に関する関係閣僚会議も設置したところでもありまして、これもしっかりと形にしていかなければいけないと思っておりますので、また力を強めて実行に移してまいりたいと思います。