国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成31年2月21日(木)11:57~12:02

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。警察庁から、平成30年における特殊詐欺認知・検挙状況等などについて報告がございました。以上でございます。

問 大臣にお尋ねします。先週、昨年の通信傍受の運用状況が公表されましたが、現状への御見解と今後の活用についてのお考えをお聞かせください。

答 (大臣)通信傍受につきましては、平成30年中の実施件数は12事件でございました。法の施行後の実施件数は145事件となっており、捜査実務に定着してきているものと認識をいたしております。
 今後は、法改正により導入される新たな方式による傍受を、組織犯罪対策などに、適正かつ有効に活用することが期待されているところでございます。
 引き続き、組織的な犯罪の取締りのため、通信傍受を適正かつ有効に運用していくよう警察を指導してまいりたいと思っております。

問 長官にお尋ねします。今も大臣からありましたが、昨年の特殊詐欺の状況がまとまったところです。認知件数、被害額は前年よりは下回っていますけれども、依然として非常に高い水準にあるかと思います。この現状への認識、それから金融機関をはじめとする民間の協力も含めて対策についてのお考えをお願いします。

答 (長官)昨年、警察が認知しました特殊詐欺は約16,500件で、被害額は約360億円にも上りました。いずれも一昨年より減少いたしましたが、特殊詐欺は依然として深刻な状況であると言わざるを得ません。
 今般、オレオレ詐欺の被害者等への調査の結果がまとまりましたけれども、これを被害防止にいかす観点から見ますと、犯人からの電話に出ないための対策が有効なこと、平素から家族間で連絡を取り合っていただくこと等が重要であること等がうかがえます。
 このようなことからも、警察といたしましては、効果的な広報啓発等の被害防止対策の充実に努めるとともに、もちろんこれには金融機関、事業者等の協力も頂きますが、引き続き、事件の背後にいるとみられる暴力団、準暴力団等に対する警察各部門による多角的な取締りや、電話転送サービスの悪用への対策等を進めてまいりたいと存じます。
 (大臣)私からも一言、重ねて申し上げたいのでありますけれども、今回まとめられた、オレオレ詐欺の被害者等への調査結果を私も読ませていただきました。なるほどと思ったのは、自分は被害に遭わないと皆さん思っていても、結局騙されてしまう、そういう方が大変多いことから、留守番電話、あるいは迷惑電話防止機能付きの電話の活用等、不審な電話に出ないための心構えや対応が非常に大事であるということを改めて認識をいたしました。電話に出た方も、息子の声と違っていたからとか、あるいは話を信じてしまって電話を切った方でも、それを親族に伝えたことで詐欺だと教えられたなど、これは平素から家族間の連携、連絡を取り合っていることが非常に有効であるということを改めて認識をいたしました。
 これを是非、国民の皆様方にもお伝えしたいと思っておりますし、また、このようなことからも、オレオレ詐欺予防プロジェクトチーム、先般、杉良太郎さんが大臣室にお見えになって、そしてSOS47ということで、かなり皆さん方にもアピールいただいたわけでございますが、特別防犯対策監に就任いただいて、そしてそのチームともしっかり連携を取って被害防止のための広報啓発に努めてまいりたいと思いますので、マスメディアの皆様方にも御協力をくれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。