国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和2年7月30日(木)11:06~11:11

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の定例会議の状況でありますけれども、令和2年上半期における刑法犯認知・検挙状況などの案件がございました。私の方からは以上です。

問  大臣にお伺いします。今ありました上半期の刑法犯ですけれども、認知・検挙状況がまとまったところですが、全体で減少傾向が続いてます。新型コロナによる外出自粛等が広く行われた4月、5月で、例えば、街頭犯罪も大きく減少しています。影響があるのかというような状況があろうかと思いますが、今回の状況についてのお考えをお願いします。

答 (大臣)令和2年上半期における刑法犯の認知件数は、30万7,644件でありました。戦後最少であった昨年の上半期から更に15.4%減少をいたしております。
 この減少の要因としては、これまで官民一体となった総合的な犯罪対策を推進してきたことに加えて、4月及び5月に街頭犯罪の認知件数の大幅な減少がみられることを踏まえると、新型コロナウイルス感染症の感染防止のための外出自粛が行われた影響も一因と考えられるところであります。
 一方、検挙率は44.4%で、前年同期比で5.6ポイント上昇をいたしております。
 犯罪情勢については、刑法犯の指標では捉えられない情勢もあることから、引き続き、それらも含めた的確な把握・分析を進め、対策の一層の充実を図るように警察を指導してまいりたいと思います。

問  大臣にお伺いします。先日、今年上半期の交通死亡事故の状況が公表されたのですけれども、その現状についてのお考えと、今後の対策等あれば教えてください。

答 (大臣)本年上半期の交通事故死者数は1,357人であり、上半期の統計が残る昭和31年以降で、最少となっております。
 一方、高齢歩行者が横断歩道を横断中の事故、また、高齢運転者による自動車の単独事故等が増加をしておりまして、これらの死亡事故を抑止するための取組が必要であると認識をいたしております。
 こうした情勢を踏まえ、警察においては、引き続き、関係機関・団体と連携するなどして、歩行者優先対策や高齢運転者対策をはじめとする交通安全教育、広報啓発、交通指導取締り等の諸対策を推進するよう指導してまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。新型コロナウイルス感染症対策の一環で、夜の繁華街の対応が課題になっています。各地の警察では、風俗営業の健全化を目的とした風営法を根拠に飲食店に立入調査を実施し、併せて新型コロナ対策についても呼び掛けていますが、こうした手法には批判的な意見もあります。長官のお考えをお聞かせいただけますか。

答 (長官)新型コロナウイルス感染症の影響により、営業自粛が呼び掛けられていたところですが、これが解除され、繁華街の活気が取り戻されつつあります。こうした中、違法な客引き等の違法行為がみられるということで、都道府県警察においては、風営法の規制を適切に遵守させる観点から、風営法に基づき、風俗営業の店舗等に対する立入りを実施しているものと承知しております。
 また、こうした立入りの実施に際し、付随して、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の徹底についても警察から呼び掛けを行うことや、関係する自治体と協力して、立入りが終わった後に、立入り先の事業者の同意を得られた場合には、自治体の担当職員が引き続き新型コロナウイルス感染症対策の指導等を行うこともあるものと承知しております。
 いずれにしても、立入りの実施については、風営法上の必要性に基づいて行われるものであり、その判断は各都道府県警察が個別に行うものでありますが、引き続き、適切な対応が取られるよう各都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。