国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和2年9月10日(木)10:52~10:57

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の定例会議でありますけれども、令和2年秋の全国交通安全運動の実施等の案件がございました。私の方からは以上であります。

問 大臣にお伺いします。今ほどありました、秋の全国交通安全運動が今月21日から始まりますが、今回の運動の特徴や重点についてお聞かせください。

答 (大臣)御指摘の秋の全国交通安全運動は、内閣府・警察庁等関係府省庁、地方自治体、自動車関係・交通関係団体の主催で、9月21日から10日間開催をされるわけであります。
 今回の運動は、春に引き続き、子供をはじめとする歩行者の安全と自転車の安全利用の確保、また、高齢運転者等の安全運転の励行を重点とするとともに、秋から年末にかけて、薄暮時間帯における歩行者や自転車利用者の死亡事故が増加傾向となることから、夕暮れ時や夜間における交通事故防止等を重点に挙げております。
 運動の実施に当たりましては、新型コロナウイルス感染症の状況等に留意し、感染予防対策をとりつつ、地域の実情に応じた運動を展開し、交通安全意識の高揚に努めてまいりたいと、このように考えております。

問 長官にお尋ねします。今の質問と関連してなのですが、交通事故の件数が、新型コロナウイルスによる外出自粛もあって、死者数・件数ともに過去最少のペースで推移しているのですけれども、一方で、東京、愛知といった都市部では死亡者数は増加に転じているということもありまして、そういった地域特性にあった交通事故対策がより一層必要かと思うのですけれども、長官の所見をお聞かせいただきますでしょうか。

答 (長官)お尋ねのとおり、本年8月末までの交通事故については、全国的にみると減少傾向にあり、死者数は1,745人で、昨年同期比180人、9.4%減、また、発生件数も速報値で19万5,131件で、昨年同期比5万4,308件、21.8%減であり、死者数・発生件数ともに減少傾向です。ただ、これもお尋ねのとおり、交通事故死者数が昨年同期比で増加している県もあり、地域によって事故の傾向が異なっています。
 こうした情勢を踏まえ、例えば、秋の全国交通安全運動においては、地域の交通事故実態等に即して地域重点を設けるなどして、引き続き、地域の情勢に応じつつ、関係機関や団体と連携するなどして、交通安全教育や広報啓発、交通指導取締り等の諸対策を推進してまいりたいと考えております。

問 長官にお尋ねします。クロスボウ、ボウガンですかね、所持等の在り方に関する有識者検討会、このほど設置が決まりました。23日に初会合が行われますけれども、これは6月に兵庫・宝塚であった殺傷事件を踏まえての対応かと思いますけれども、今回の検討会の設置の意義、狙いについて、お考えをお願いします。

答 (長官)お尋ねのとおり、今回の検討会は、本年6月に兵庫県宝塚市において発生した、クロスボウを使用して3人を死亡させ、1人に重傷を負わせた殺傷事件等を踏まえたものです。また、クロスボウが使用された刑法犯事件の検挙件数は、平成22年1月から本年6月までの間で23件あり、そのうち約半数の13件が殺人、殺人未遂等の人の生命・身体を害する罪の事件でした。
 こうしたことを踏まえて、クロスボウの所持等の在り方について、各方面の専門家の方々に御検討いただく、というのが今回の趣旨です。
 この有識者検討会においては、本年末までに報告書を取りまとめていただく予定としており、警察庁としては、この有識者検討会の議論の結果も踏まえながら、クロスボウに関する治安上の対策について検討してまいりたいと考えております。