国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和3年2月4日(木)11:45~11:50

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。小此木委員長が欠席のため、私が会見を代理いたします。本日は、令和2年の犯罪情勢等の案件がございました。以上です。

問  長官にお尋ねします。ただ今ありましたが、昨年の犯罪情勢がまとまったところです。刑法犯認知件数は減少傾向が続いており、戦後最少を更新していますが、昨年は減少幅が特に大きかったようです。コロナの影響があろうかと思いますが、特に、街頭犯罪、侵入犯罪の減少が目立っているところです。こうした昨年の犯罪情勢をどう御覧になっているのか、お考えをお願いします。

答 (長官)お尋ねのとおり、近年、刑法犯の認知件数は継続的に減少しております。令和2年も、新型コロナウイルスの感染拡大等により、街頭犯罪を中心に認知件数が減少しており、この減少幅は例年より更に大きくなりました。
 しかしながら、認知件数の推移だけでは捉えられない情勢があることや、新型コロナウイルスの感染拡大の影響等も踏まえると、犯罪情勢は、依然として厳しい状況にあるとみております。
 警察としては、被害の発生や犯行手口等に関する情報を他の行政機関や事業者の方々等と共有して緊密な連携を図り、犯罪ツールに対する対策を取るなどの取組を進めるほか、被害に至る前段階での防止を図るなど、きめ細かな対策を進めていく必要があります。
 また、犯罪情勢の分析の高度化に引き続き取り組むとともに、そうした分析に基づき、対象者を意識した実効性のある対策の立案・推進を図っていく必要もあると考えております。

問  長官にお尋ねします。特殊詐欺ですが、昨年の認知件数と検挙状況がまとまりました。認知件数と被害額共に減少傾向にありますが、依然として深刻な情勢と分析されていると思います。長官として、昨年の状況をどのように御覧になっているのか、また、警察の今後の対応について、教えていただけたらと思います。

答 (長官)お尋ねのとおり、令和2年の特殊詐欺については、前年と比べて認知件数、被害額いずれも減少しております。しかしながら、依然として高齢者を中心に被害が高い水準で発生しており、深刻な情勢にあると認識しております。
 また、令和2年中、新型コロナウイルス感染症に関連した被害は、55件、約1億円となっています。最近では、ワクチンの接種手続を装って現金を要求する不審な電話も把握されるなどの、新たな手口も見られるところです。
 警察としては、引き続き、取締りと被害防止の両面で対策を進めてまいりたいと考えております。
 具体的には、取締りについては、事件の背後にいるとみられる暴力団や準暴力団等の犯罪者グループに対する多角的・戦略的な取締り等を推進してまいります。
 また、被害防止については、令和元年6月の犯罪対策閣僚会議において決定された「オレオレ詐欺等対策プラン」に基づき、公的機関、各種団体・事業者、さらには、幅広い世代に対して高い発信力を有する著名な方々とともに、新たな手口の注意喚起を含めた各種の防止対策等を推進してまいります。