国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和3年2月18日(木)12:21~12:26

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。小此木委員長が欠席のため、私が会見を代理いたします。本日の案件は、令和2年における交通事故の発生状況等などがございました。以上です。

問  長官にお伺いします。先日、福島県沖を震源とする地震がありましたが、警察が執った対応について、教えてください。

答 (長官)この度の地震に際して、警察では、まず、土砂崩れ現場等に警察官を派遣して、人的被害の有無を含め被害状況の確認を行いました。また、停電によって信号機が滅灯した交差点での交通整理等も実施いたしました。
 更に、発災後直ちに被災地以外の都県警察の警察ヘリを広域的に運用し、5機体制で上空から被災状況について情報の収集に当たりました。
 このほか、被災状況に応じて救助部隊の広域的な運用ができるよう、被災地以外の都県警察においても部隊員を招集し対処体制を構築するなど、対応に万全を期してまいりました。
 引き続き、訓練の実施や装備資機材の充実等により災害対処能力の向上を図るとともに、発災時には機動力や組織力をいかして迅速・的確に対応するなど、いかなる災害にも適切に対応できるようにしてまいります。

問  長官にお尋ねします。ただ今、委員からありましたが、昨年の交通事故の状況がまとまったところです。例えば、交通量の減少の背景に、重傷者の数が減っているといった分析をされていますが、昨年はコロナがあり、それらの影響も踏まえて、昨年の交通事故の情勢全体をどのようにみているか、また、それを踏まえての取組・対策も含めて、お願いします。

答 (長官)昨年の交通事故発生状況ですが、全体では、亡くなられた方の数は、対前年比で-11.7%です。これは、統計が残る昭和24年以降で2番目の減少率となりました。
 また、昨年は、いわゆるコロナ禍により交通量が減少していますが、その影響で、4月と5月に重傷者数が大幅に減少し、また、5月と6月には高速道路上で亡くなられた方の数が大幅に減少している、こういった点にその影響がうかがわれるところです。
 昨年全体の、亡くなられた方の数に占める割合が最も多い歩行中の数を更に分析しました。歩行中に亡くなられた方の約7割が横断中の事故でした。そのうち約3分の1は横断歩道を横断中であるにもかかわらず事故に遭われています。また、横断歩道以外を横断中に事故に遭って亡くなられた方のうち、約7割には歩行者側にも法令違反があったところです。
 次に自転車ですが、自転車乗用中の事故については、過去10年の推移をみると、歩行中や自動車乗車中の事故と比べて、低い減少率にとどまっています。
 自転車乗用中の事故の課題としては、死者・重傷者数の約4割を占める自動車との出会い頭衝突のうち、約8割で自転車側にも法令違反があったこと、また、ヘルメットの着用率が依然として低いことが挙げられます。
 以上のような分析や特徴を踏まえて、今後の対策として、特に、歩行者の安全確保に向けた交通安全教育や運転者に対する指導・取締り、自転車の遵法意識の向上に向けた交通安全教育や自転車に対する指導取締り、そして、生活道路における安全確保といった対策に取り組んでまいりたいと考えております。