国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和3年2月25日(木)12:21~12:27

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。改正道路交通法の施行状況等の案件がございました。私からは以上です。

問  大臣に、あおり運転についてお伺いします。昨年6月末に、妨害運転罪を新設した改正道路交通法が施行されまして、その後の半年間の摘発状況等がまとまっております。こうした摘発等の状況について、大臣はどのようにお考えになっているのかということと、今後の取組についてどのようなお考えを持っておられるのか、教えてください。

答 (大臣)令和2年6月30日に施行された改正道路交通法で新設されました妨害運転罪の適用件数ですが、同年12月末現在で、58件との報告を受けています。
 また、妨害運転罪の前提となる違反類型の一つである車間距離保持義務違反の取締件数は、前年同期比で約20%減少しており、妨害運転罪の新設及びこれに伴う広報啓発により、妨害運転の抑止に一定の効果が現れていると認識しています。
 妨害運転は、極めて悪質かつ危険な行為であり、これを抑止するため、引き続き、厳正・的確な取締りを行うとともに、広報啓発活動に努めてまいりたいと存じます。

問  大臣にお願いします。運転中の携帯電話の使用ですが、厳罰化から1年間の実施状況が取りまとまりました。その評価と今後の取組について、お願いいたします。

答 (大臣)運転中に携帯電話等を使用するいわゆる「ながら運転」を厳罰化する改正道交法の施行後1年間における、携帯電話使用等に起因する交通事故の発生件数は、前年同期比で-約53%と大幅に減少しております。
 また、取締り件数も-約58%と大幅に減少しており、厳罰化及びこれに伴う広報啓発により「ながら運転」の抑止に一定の効果が、現れていると思います。
 引き続き、交通指導取締りを適切に実施するとともに、自動車も自転車も含めた「ながら運転」の危険性についての広報・啓発活動に努めてまいりたいと存じます。

問  長官にお尋ねします。警察ヘリの関係ですが、運用に関する規則が改正されます。航空隊の任務に災害時の警備実施等を明記すること、長官による指揮監督権の明確化すること等が盛り込まれているところですが、今回の改正の背景、それから狙いについて、ぜひお考えをお願いします。

答 (長官)まず、背景ですが、東日本大震災においては、全国警察から派遣されたヘリが、延べ800機以上運用されたところであり、これにより、被災者の救出救助や上空からの情報収集を行いました。また、令和元年東日本台風や令和2年7月豪雨でもそれぞれ延べ100機以上を広域運用するなど、警察の災害対応において、ヘリの活用の在り方やその能力の向上の重要性が高まっていると考えております。
 そのような情勢を背景として、今回、ヘリを災害対応における警察機動力の中核として新たに位置付け、その能力を最大限発揮させることを目的とした制度改正を行うこととしたものです。
 具体的には、ヘリの主たる任務を災害への対応と明確に定義すること、大規模災害等の非常事態においては、警察庁の指揮の下で、広域運用の態勢を迅速に構築するための手続を明確化すること、そして、全国警察の航空隊を警備部門に移管し、救出救助活動を担う機動隊とともに、警備警察の指揮系統の下に統合することを主な内容とするものです。
 ただし、ヘリが従来から行っているパトロール、遭難者の捜索救助、被疑者の追跡等々の任務については、従来どおり、引き続き行ってまいります。
 本年は東日本大震災から10年を迎える節目の年となりますが、首都直下地震や南海トラフ地震等の巨大災害や、火山噴火をはじめとする多様な災害に備えるため、今後とも危機管理体制の不断の見直しを行い、災害対処能力の更なる強化に努めてまいる所存です。