国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和3年3月11日(木)11:56~12:04

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。小此木委員長が、国会対応と東日本大震災十周年追悼式への参列のため、私が会見を代理させていただきます。案件ですが、令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況等がございました。以上です。

問  長官にお尋ねします。昨年の児童虐待に関する状況がまとまったところですが、警察から児童相談所へ通告した児童の数や児童虐待事件の検挙件数等が過去最多を記録しております。こうした状況について、長官はどのようにお考えかということと、今後の警察の対応をお聞かせください。

答 (長官)児童虐待については、お尋ねのとおり、昨年中の検挙件数が過去最多を更新するなど、深刻な状況が続いていると認識しております。
 政府全体としても、関係閣僚会議で「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」を決定するなど、児童虐待を重大な課題と位置付け、対策を講じているところと承知しております。
 警察においては、関係閣僚会議の決定等を踏まえて、引き続き、児童相談所や学校等の関係行政機関等と連携を図りつつ、児童の安全確保を最優先とした取組を着実に進めてまいる所存です。

問  長官にお願いします。高齢運転者対策の調査研究報告書がまとまりました。運転技能検査の対象となる違反類型等が盛り込まれており、今後、報告書の内容を踏まえて法令改正等をされると聞いております。現状の受け止めと今後の取組について、お願いします。

答 (長官)警察では、昨年の道路交通法の改正を受けまして、有識者を交えて、高齢運転者対策、第二種免許等の受験資格の見直しについて、検討・準備を進めてまいりました。
 この度取りまとまった報告書では、高齢運転者対策について、新たに導入される運転技能検査の対象者の範囲や、その検査の内容について、一定の方向性を示していただいたところです。
 高齢運転者による交通事故の情勢については、免許人口当たりの死亡事故件数が他の年齢層と比較して高いなど、依然として厳しい状況にあると認識しております。また、今後も高齢運転者の更なる増加が見込まれることから、高齢運転者対策は喫緊の課題であるとみています。
 今後は、この報告書の内容を踏まえ、下位法令を整備するとともに、自動車教習所等との調整を行って必要な検査体制を整備するなど、改正法の施行に向けた準備を着実に進めてまいります。

問  長官にお尋ねします。東日本大震災ですが、本日でちょうど10年経ちました。警察の災害対応ですが、大震災も教訓にして、今までいろいろと体制づくりをしてきたと思います。東日本大震災以後の警察による災害対応の取組や、その評価・課題も含めて、お考えをお願いします。

答 (長官)東日本大震災から10年を迎えますが、今なお、行方不明の方が2,500人以上おられ、また、多くの方が避難生活を送られていると承知しております。
 警察では、被災地を管轄する警察に加えて、全国警察から延べ約142万人を特別派遣するなどして、被災者の救出救助、行方不明者の捜索、警戒警らや犯罪の取締りを通じた被災地の安全・安心の確保等に取り組んできたところです。昨年中も新たに3人の御遺体の身元を特定するなど、現在も取組は継続しております。
 東日本大震災では、私自身、福島県警察本部長として災害対応に当たりましたが、警察では、この10年間、東日本大震災やその後の災害対応の経験を踏まえ、災害対処能力の向上を図ってまいりました。具体的に申し上げると、即応能力の強化として、全国の警察部隊の広域的な運用体制の強化や、救助訓練の充実、情報収集能力の強化として、警察ヘリの装備の充実や飛行訓練の強化、小型無人機の活用、警察活動の基盤確保として、避難誘導等に際して30人の警察官が殉職したことを踏まえた安全確保の徹底や、警察施設の耐災害性の向上等に取り組んでまいりました。
 今後、発生が懸念される南海トラフ地震、首都直下地震、火山噴火等の大規模災害に備え、対処体制の不断の見直しを行い、先端技術も取り入れるなどしながら、更に対処能力の向上に努めてまいりたいと考えております。