国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和3年4月8日(木)11:52~11:57

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。小此木委員長が欠席のため、私が会見を代理いたします。案件につきましては、令和2年における組織犯罪の情勢等がございました。以上です。

問 長官にお尋ねします。今ほどありました組織犯罪の情勢に関してですが、薬物犯罪の情勢において、大麻事件の検挙人数が過去最多となっており、特に若年層の増加が目立っておりますが、こうした情勢について、長官はどのように受け止めになっていらっしゃるのかと、今後の警察の対応について、お願いします。

答 (長官)令和2年中の薬物事犯の検挙人員については、前年比715人、5.4%増加して、1万4,079人となっております。引き続き1万人を大きく超える高い水準となっていると認識しています。
 特に、大麻事犯の検挙人員については、近年増加を続けており、令和2年も過去最多を更新したほか、年代別に見ると10代と20代の占める割合が前年比約9ポイント増の約68%と拡大しています。
 この背景には、大麻の危険性・有害性に関する若者の認識が低く、友人・知人から誘われるなど、周囲の環境に流されて大麻に手を出す傾向があることが調査の結果明らかになっております。
 警察としては、引き続き、関係機関と連携しつつ、薬物の供給の遮断と需要の根絶に向けて、薬物事犯取締りの徹底や、若年層の大麻乱用防止等の広報啓発に取り組んでまいります。

問 長官にお尋ねします。やはり組織犯罪の関係です。来日外国人の犯罪情勢がまとまったところです。昨年はコロナもありましたので、コロナの影響もあるのではないかと思います。また、ベトナム人については、例えば、北関東を中心に家畜窃盗事件に絡む犯罪が昨年は注目されたところです。今回まとまっている来日外国人犯罪の情勢についての受け止め、警察としての取組についてお願いします。

答 (長官)全般的な点については、令和2年における来日外国人犯罪の検挙人員は、新型コロナウイルスの感染拡大のため短期滞在の新規入国者が大幅に減少したことによる影響もあり、短期滞在に係る検挙人員は減少しています。他方で、総検挙人員については、前年に比べ、若干増加しております。
 国籍等別に見ると、ベトナムと中国で全体の約6割を占めています。中でも、令和元年以降最も多くなったベトナムについては、入管法違反及び窃盗犯が多数を占めるほか、近年では暴行、傷害等の粗暴犯や殺人等の凶悪犯の増加も顕著で、犯罪グループの形成も含め警戒を強めているところです。
 警察としては、これらの情勢を踏まえ、引き続き、来日外国人犯罪情勢の動向を注視し、組織性・悪質性の高い犯罪の徹底検挙をはじめとする対策に取り組んでまいります。