国家公安委員会委員長離任記者会見要旨

1 日時 令和3年6月25日(金)11:01~11:32

2 場所 中央合同庁舎8号館5階共用会議室B

3 概要   今朝、閣議後、総理を訪ねて、国務大臣としての辞職願を提出いたしました。それが受理をされ、本日退任の運びとなりました。皆様には大変お世話になりました。心から感謝を申し上げます。
 少しだけ話をいたしますと、昨年9月16日に発足した菅内閣で、2度目となります国家公安委員会委員長、防災担当、国土強靱化担当、海洋政策担当及び領土問題担当大臣、またカジノ管理委員会の事務に関する担当大臣、様々な担当を担うことになり、大勢の皆様のお支えを頂いて、ここまでまいりました。やはりコロナ禍での諸政策、あるいは諸対策といいますか、そういったことが引き続き行われ、収束に向けた努力がされている中での退任でありますから、無責任という謗りは免れませんが、私自身の政治判断であり、多くの皆様の理解を得るための努力もしていかなければならないと思っています。
 申し上げることは様々ありますが、警察においては、「世界一安全な国」にするため、今年行われる2020年東京大会の安全かつ円滑な開催に向けた諸対策、警察の災害対処能力の向上、サイバー空間の脅威への対処、デジタル化施策の推進、交通事故防止対策等に取り組んでまいりました。
 特に、就任して、菅総理から、運転免許証のデジタル化といったことも指示され、取り組んでまいりました。菅内閣の最重要政策の一つでもありましたので、デジタル化政策に関連して、運転免許証とマイナンバーカードの一体化について、開始予定時期を少しでも早めたいという思いから、令和7年度開始予定でありましたが、1年前倒しして、令和6年度末から全国一斉に開始することになりました。先の通常国会において、ストーカー規制法の改正案と銃刀法の改正案を手掛けることができました。本当に皆様に感謝を申し上げる次第であります。現場現場で、いろいろな話を聞いてきた、あるいは事件に遭遇してきた警察職員の努力、コロナ禍において国民の皆様の不安を解消するための努力により 、このような不安が更に解消されるように前に進むと思っております。職員の活躍を期待するとともに、私は誇らしく思っておりますので、引き続き、努力を重ねていっていただきたいと思います。
 治安の維持は国民の願うところでもあり、「世界一安全な国」と先ほど申し上げましたが、更にその努力を重ねていただきたいと思っております。
 防災担当大臣といたしましても、被災者生活再建支援法、あるいは今年になりましてから、災害対策基本法の改正等、とにかくこれから出水期、これからといいますか、既に迎えている中で、いつ起こるか分からない災害であります。
 私もこの年明けから、大雪、あるいは福島沖の地震について、緊急事態宣言下ではありますが、理解を頂きながら、地元を訪ねて、話を聞いてまいりました。あるいは現状・現場を見てまいりました。これはすぐ、菅総理の指示の下でチームが組まれ、様々な支援策が整ったところではありますが、今後も申し上げたように、いつ何があるか分からない、頻発化、複雑化、あるいは激甚化する災害についての対処をしっかり、怠りなく、職員の皆様にもお願いをしたところでありますが、先ほど申し上げた警察とも同じ事が言えるということでございます。
 また、きりがありませんが、国土強靱化につきましても、3か年の緊急対策とともに、今年の補正予算から5か年の加速化対策に繋げることができました。これは、こういったことを更に多くの皆様の不安をなくすため、災害からの不安をなくすため、特に、今、投資をしておけば、これが結果的には、災害が起こった後に投資するよりも安い費用で済むということを様々なところで、これまでの経験の中で言ってまいりました。地元の、一昨年ワールドカップのラグビー大会が行われた新横浜のスタジアムでそういうことがあったと思いますし、2019年の福島の阿武隈川の堤防の決壊についてもそういうことが言えたと思いますので、いろいろなことを教訓にして、これからも防災、減災、国土強靱化、これが新時代の国土強靱化ということになってまいりますが、新しくデジタル技術を入れたり、人材育成を更に施していったり、副大臣や審議官が一所懸命取り組んでまいりました。新大臣におかれましても、しっかりと受け継いでいただいて、これも更に前へ進めていただきたいと思っています。
 土地利用規制の法律も成立していただくことができました。特に、私は平成5年の初当選ですが、私にとって最後の国会になるでありましょう、先の国会でこの担当大臣となりましたが、非常に難しい法案でありました。これにつきましても、国民の皆様の不安を解消していきながら、これからもしっかりと説明をしていただくべく、新大臣には、御尽力いただきたいと思います。この国会で最後に成立させることができた法案となりました。それが私が担当する法律であったこと、またそれが菅内閣の下であったことに非常に因縁を感じますし、感慨深いものがございました。それぞれの法案について、事務方が汗をかき、寝る間を惜しんで、様々な方面に努力を傾けていたことが、非常に私の印象に残っております。こうして今、私の話を聞いていただく記者の皆様も、あの成立の日は非常に遅かったものですから、眠い体を叩き起こすような努力もあったと思いますが、お陰様で成立ができました。先ほど申し上げたように、それを更に良い形で前に進めていただくべく、新しい大臣にもその話をさせていただきたいと、このように思います。
 海洋政策として、長崎県五島市の福江島を訪問をしました。洋上風力発電は、特に2050年までのカーボンニュートラルという約束を果たすために大きな意味合いある一つだと思いますが、そういったところの現場を見ることもできました。
 あるいは、領土問題担当大臣として、展示館にそのツイッター等、これもデジタル化させるようなものを新しく新設をいたしまして、発信にまだまだ足らないところもあるかもしれませんが、努めるよう努力をしてまいりました。これも、引き続きお願いをしたいと思います。
 カジノ管理委員会は、昨年1月の発足以来、カジノ管理委員会の規則の策定に向けた審議・検討を中心に、39回に及ぶ委員会を開催してきました。
 引き続き、カジノ管理委員会においては、厳格なカジノ規制の実施に向けた着実な取組を期待しております。
 終わりになりますが、在任中の御厚誼に、皆様方に改めて感謝をいたします。心から御礼を申し上げて、私からは退任の挨拶といたしたいと存じます。本当にありがとうございました。

問   総理の執務室を閣議の後に訪ねられて辞表を提出されたということですが、そこで大臣から申し上げたことと、総理からはどのような言葉を掛けられたのかということを教えていただけないでしょうか。

答  「ありがとうございました」、「お疲れ様でした」、このことのみです。

問   大臣からは。

答  「ありがとうございました」とお話ししました。「お疲れ様」ということであります。

問   大臣は菅総理の選対本部長を務められて、側近として間近で総理の政権運営等を御覧になってきたと思います。今後、コロナ禍が続きますが、菅政権に期待することであったり、もう少し頑張ってほしいこと、課題として残っていることについて、どういうことを感じていらっしゃいますでしょうか。

答  付き合いが長いですから。訪ねる機会が少なくなるかもしれませんが、連絡手段は電話等となります。人の心を明るくすることも私達の仕事です。私は見てきましたが、コロナを一刻も早く収束させたいという気持ちで、菅総理は、コロナを迎えて以降、昨年の官房長官時代からずっとワクチンを何としても早く日本の中で広めていかなければいけないと力を尽くしてこられました。ほかのところが足りなかったり、過ぎたりするような印象も多くの皆様には見受けられたかもしれませんが、その辺のバランスについて、こうなんじゃないかな、ああなんじゃないかな、と言ってまいりました。しかし、そういったことは、お互いに、それまで以前の人生の中でも言い合ってきましたので、そういった関係は、今後も、先ほど申し上げた手段で連絡を取りながら続いていくと思います。

問   東京オリンピックまで1か月を切りました。警備等警察の対応もあると思いますが、このタイミングで辞任されることについては、どのようにお考えでしょうか。

答  先ほど申し上げたように、オリンピックにかかわらず、途中の退任というのは無責任の謗りを免れないと思います。しかし、御質問の話は先日もありましたが、就任以来、オリンピックの体制について万全を期すよう指導してまいりました。今のこの瞬間も、警察においては、その態勢といいますか、その気持ちが引き継がれているというふうに思います。次の新大臣にも引き継いで、同じような気持ちで前に進めていただきたいと思います。

問   今日閣僚を辞任するということだったのですが、議員辞職については、今後どういった手続で、いつ頃を考えていらっしゃるのでしょうか。

答  これもまだ正確には考えていません。今しばらくそのタイミングは考えたいと思います。

問   IRについては、先日の記者会見では、身内に考え方を整理して伝えたいというお話だったと思うのですが、その調整状況等はいかがでしょうか。

答  ここはあくまでも内閣府でありますので。

問   大臣、今日最後の閣議となりましたが、どのような心境で臨まれたのかということと、もう1点、先ほど議員辞職についてもお話がありましたが、県連の会長についても、どのように今後立てられるのか、いわゆる御自身の退任と後任人事、どのようにお考えなのでしょうか。

答  2点目についてですが、それは今後の話なので、ここでは申し上げられません。最後の閣議ということですが、私も意外なほど落ち着いておりました。しかし、最後に皆様方にこれまでの御礼を申し上げた時は、こみ上げるものがありました。今後、更に一層、頑張っていかなければならないと気持ちを引き締めました。

問   任期途中での退任は無責任の謗りを免れないというようなことをおっしゃりましたが、特に土地利用法案については、国会で、この法案が成立した暁には、私が責任を持ってとおっしゃっていたと思います。それでも途中で退任することとした心境・思いを改めてお聞かせいただけますでしょうか

答  政治家というのは様々な課題があります。大きく分けて、公の課題というのはたくさんあります。人間ですから、私の課題もあります。そういう中で、様々なことは常に動いています。皆様からすれば、今の話題1点に集中するのかもしれませんが、皆様の頭の中も様々なことがあろうかと思います。ただ、土地利用規制法について、総理からしっかりやるように言われた5月あるいは昨年から、私も力が入りました 。提出時期はいつかと、度々皆様からも問われましたが、そのことについては、そこに集中しなければいけません。何としても、これは成立させなければいけないと、ここでも言ってまいりましたように、外国資本、あるいはその土地の利用についての不安というものが残る以上、それをしっかりと国として調査して、不安解消のために力を尽くすんだという思いで進めてまいりました。これは、安全保障の点からみれば第一歩かもしれませんが、この第一歩を進めない限り、2歩目がないのだという思いで進めてまいりました。いろいろなことはありますが、そこは優先課題という考え方で、それに力を尽くしてまいりました。その際、多くの事務方からの努力も感じながらやりました。国会をはじめ、私だけでなく、チームといってよいのか、本当に多くの皆様の協力がありました。このことへの感謝は忘れません。

問   閣僚辞任等は、御自身の政治判断ということを先ほど冒頭でおっしゃっておられました。この判断をする際に、横浜港の関係者や、また御家族の方、そうした方に事前に相談をされたり、又はどのような声を掛けられたのでしょうか。

答  一切相談していません。

問   2度目の国家公安委員会委員長で、今回約9か月でした。先ほど、警察に関わる政策・テーマで幾つか挙げられましたが、退任されるに当たって、警察が取り組んでいるテーマの中で、特にやり残したというか、気になっていること、後任の国家公安委員会委員長に特に引き継ぎたいと思っていることをお願いします。

答  治安というのは、国民が生活される中で一番必要なものだと思います。それが何であろうと、そこに優先順位をつけるのは難しいと思いますが、例えば、ストーカー規制法の改正法が成立しました。基本的に、これは恋愛感情がスタートになっていますから、議会で、恋愛感情に絞ってよいのだろうかと、それだけでよいのだろうかという議論がございました。私は今、退任する身でありますが、一政治家といいますか、一人間としても、こういう ストーカー行為、あるいはハラスメント行為といった人の弱みにつけ込んで行われるような行為は決して許されないというふうに思いますので、一人の小此木八郎として、更に勉強をし、実態を感じ、それをなくすため力を尽くしたいと思います。

問   大臣を辞められるということなのですが、いつ判断して、総理には、いつ報告をしたのかお伺いします。また、土地規制法については、批判が非常に多い法律です。今後、閣議決定される基本方針がどのようになるのか大変注目されますが、それについて、後任の大臣にはどのように引き継いでいかれる御予定ですか。

答  辞めると決めてかかったわけではないのですが、選挙に出るとお話ししたのが5月の下旬です。総理からは、分かったということでありました。簡単な話のように話していますが、気持ちの中で、いろいろなものがあったと思います。とにかく、最重要と自分でも思っていた土地利用規制の法律を成立させなければいけないということでありました。それが会期末までかかってしまうということは、その時点で想像できましたので、会期末まではその思いは一切外には出さないという思いで、この法律成立のために取り組んでまいりました。また、批判が多いとおっしゃりましたが、逆に、早く法制化してほしいという声もあります。私が2009年に落選をいたしまして、3年と数ヶ月、いわゆる浪人期間があったわけですが、その中でも多くの皆様、横浜市民の皆様からそういう話があったのでしょう。聞いてきた話でありますし、基本方針だけでなく、これは様々なところで、調査の不安と、あるいは調査をしない、放置している中での不安と、両方ありますので、この両方の解消に、取り組んでいかなければいけないと委員会でお答えいたしましたが、それを新任の大臣にしっかりと伝えていくということだと思います。

問   先ほどの質問に戻りますが、衆議院議員の辞職は、後ほどタイミングをみてとおっしゃっていましたが、自民党の離党については、どのような御対応、タイミングとなりますか。

答  自民党の離党については少し考えます。今、組織の会長を務めているので。
今一つ、大事なことを言い忘れましたが、嬉しかったことの一つとして、内閣府に、防災女子の会という、内閣府女性職員に集まっていただく会を設けて、女性活躍について御意見を頂いたことがありました。これまで政府として取り組んできたのですが、防災政策を決める立場の人についても、女性の参画を促さなければいけないと思います、といったいろいろな意見を頂きました。もちろんそのとおりであって、総理が会長であります中央防災会議の女性委員の比率を3割にすることができました。あるいは中央防災会議にその意見を上げる防災対策実行会議のメンバーにおいては、女性の比率を5割に上げることができました。女性だろうが男性だろうが、いろいろな厳しい話は、仕事の上ではあると思いますが、そういう女性の視点が必要だったなということは、災害の現場に行っても感じることがございましたので、ぜひ良い形で、それも新しい大臣にお話を聞いていただこうと思います。私からは以上です。