国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和3年8月26日(木)11:51~11:58

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、令和2年改正道路交通法の施行状況等がございました。以上でございます。

問  大臣にお願いいたします。昨年6月末に妨害運転罪を新設した改正道交法が施行されてから1年の摘発状況等が取りまとまりました。妨害運転罪の新設の効果をどう分析されているのかと、引き続きあおり運転にどう対処されていくのかについて、お願いいたします。

答 (大臣)令和2年6月30日に改正道路交通法の施行に伴い創設された妨害運転罪の適用件数は、本年6月末現在、100件と報告を受けております。
 また、車間距離保持義務違反の検挙件数は、1万1,510件と、前年同期との比較で3,208件減少しており、妨害運転の抑止に一定の効果が現れていると認識しております。
 妨害運転は、極めて悪質かつ危険な行為であり、これを抑止するため、引き続き、広報啓発活動に努めるとともに、厳正・的確な取締りを行うよう、警察庁を指導してまいりたいと考えております。

問   長官にお伺いいたします。一昨日、工藤會のトップとナンバー2に対する福岡地裁の判決が出たところです。この判決に対する受け止めと、工藤會を含めた今後の暴力団対策について、改めて御意見を伺わせてください

答 (長官)工藤會については、数多くの一般市民の方々を襲撃するなど、市民生活に大きな脅威を与えてきた存在です。これに対して、警察としては、暴力団対策法に基づき特定危険指定暴力団等として指定するとともに、福岡県警察を中心に、他の都道府県警察からも捜査員を派遣するなどして、幹部を多数検挙するなどの徹底した取締りを推進してきております。
 こうした取組により、これまでに多くの組員が組織を離脱し、その勢力は大きく減少したほか、その拠点である事務所も相次いで閉鎖されるなど、一定の成果が上がっているものと認識しております。
 一昨日の福岡地方裁判所の判決は一つの節目であると思いますが、警察としては、工藤會の壊滅に向け、諸対策を更に推進してまいります。
 暴力団情勢一般については、工藤會のほかに、山口組では六代目山口組と神戸山口組との間で抗争が継続しているなど、予断を許さない状況にあります。全国的にも、引き続き、暴力団の弱体化・壊滅に向けて、関係する様々な機関と連携しながら、暴力団幹部に対する集中的な取締りを含む暴力団犯罪の徹底的な取締り、暴力団対策法の効果的な運用等の諸対策を強力に推進し、市民の皆様方の安全と平穏の確保に努めてまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。東京パラリンピックですが、一昨日、開幕したところです。オリンピックに続く開催ですが、今回のパラリンピックに対する警備、交通対策を含む警察としての取組についてのお考えをお願いします。

答 (長官)お尋ねのとおり、オリンピックに引き続き、東京パラリンピック競技大会が開幕しました。これに伴い、警察においては、選手や要人、競技会場等の安全の確保、サイバーセキュリティの確保、大会関係者の方々の安全かつ円滑な輸送と都市活動の両立等のために、関係機関と連携しながら、警備、交通等の諸対策を着実に実施しているところです。
 また、新型コロナウイルス対策についても、今回パラリンピック競技大会警備のために東京に派遣する部隊については全てワクチン接種済みの部隊とするなど、感染防止対策を着実に実施しております。
 引き続き、安全・安心な大会を実現するため、様々な活動を推進してまいる所存です。
 国民の皆様におかれましても、交通の混雑の緩和やテロ防止のための警戒活動等に対しまして、御理解と御協力を改めてお願い申し上げます。