国家公安委員会委員長就任記者会見要旨(関連部分のみ)

1 日時 令和3年10月5日(火)11:11~11:33

2 場所 中央合同庁舎8号館5階共用会議室B

3 概要   この度、国家公安委員会委員長に就任いたしました二之湯智でございます。国家公安委員会委員長のほか、防災担当、国土強靱化担当、国家公務員制度担当、海洋政策担当及び領土問題担当大臣を拝命いたしました。非常に多岐にわたるわけでございます。
 現在、新型コロナウイルスの感染拡大の防止に政府を挙げて取り組んでいるところで、私としても所要の対策に注力するとともに、所管の事項について最大限の取組を進めてまいりたいと思っております。
 まずは、国家公安委員会でございますが、国家公安委員会委員長は、国家の治安維持の重責を担っておりまして、身の引き締まる思いであります。
 我が国の治安情勢は、刑法犯認知件数の総数は継続して減少はしておりますが、特殊詐欺、ストーカー、配偶者からの暴力、児童虐待等の被害は、依然として深刻です。また、サイバー攻撃が国内外で多数発生するなど、サイバー空間における脅威は極めて深刻な状況であります。サイバーセキュリティ確保のための取組を的確に進めていくことが、今求められているところであります。
 このほかにも、デジタル化の施策の推進や交通事故防止対策、あるいは災害対処能力の向上等対策を講ずべき課題が山積しているものと認識をしております。
 良好な治安は国民生活の基礎であります。日本を「世界一安全な国」にするために、こうした治安上の諸課題に的確に対処し、国民が安全・安心を実感できるように全力を尽くしてまいります。

問  大臣に2点お伺いします。1点目は、国家公安委員長としての今後の抱負について、また2点目は、深刻化するサイバー犯罪、サイバー攻撃の対処について、警察をどのように指導されていくか、それぞれに御所見をお願いします。

答  我が国の安全・安心というのは、国民にとって最も重要な課題でございます。このことについて、私は一生懸命取り組んでいきたいと思います。
 サイバー攻撃につきましては、警察庁にサイバー局、サイバーの組織を立ち上げるということでございまして、鋭意人材確保に努力をしているところです。これを着実に進めて、サイバー攻撃に対処する組織をしっかりと立ち上げていかなければならないと思います。これも、今、非常に深刻な問題になっておりますので、警察庁としても前向に検討していきたいと思います。

問  警察活動や警察が行う行政手続のデジタル化についてのお考えと、もう1点ございまして、次世代モビリティや自動運転の開発等が今進められています。それに関する交通ルールの在り方についての御所見を、それぞれお伺いできたらと思います。

答  行政手続のオンライン化については、警察にもいろいろと許認可業務があるわけでございますが、これらをオンラインで手続ができるように一生懸命これから検討していきたいと思います。また、マイナンバーカードの中に運転免許証を取り込めるようなこともしていかなければならないと思っております。さらに、刑事手続のIT化等を進めて、業務の合理化も図っていかなければならないと思っております。今は、鋭意、この問題について、一生懸命取り組んでいるところでございます。
 もう一つ、モビリティや自動運転といったものが急速に発達してまいりました。これについては、一方で国民の生活の利便を非常に高めるものでございますが、一方で安全性というものを確保しなければならないということでございますので、今、有識者を交えて様々な立場から検討しているところでございます。
 いずれにいたしましても、国民の利便性の向上や経済成長と交通の安全の観点から最適な交通ルールが整備されるように努力していきたいと思っております。

問  高齢運転者や飲酒運転による交通事故、又は、通学路の安全等、様々な課題がある中、警察として、交通事故の減少に対してどのような対策を打ち出していくのか、お聞かせください。

答  交通事故の死亡者数は4年連続で戦後最少を更新していますが、依然として交通事故で亡くなる方が非常に多いわけでございます。これから高齢化社会に向けて、高齢者の運転事故も非常に多くなるため、そういう高齢者運転の対策を行わなければなりません。また、飲酒運転やあおり運転といった危険な運転の交通違反取締りも行っていかなければならないと思っております。非常に多方面から交通事故の減少について検討していきたいと思っております。

問  多様な交通主体の交通ルールの在り方に対する有識者検討会が、年度末にも報告書を出すと思います。歩道を動力だけで移動することもできるような画期的な話になるかと思うのですが、高齢者の移動等も含めて、大臣はどのようにお考えかお聞かせください。

答  お尋ねの件は、これから前大臣からの引継ぎもしっかりと聞いて、警察庁からも所要の報告を聞いた上で、しっかりと適切に対処していきたいと思います。
 いずれにいたしましても、従来の自動車だけでなく、モビリティ・移動手段も多種多様になってまいりましたから、国民が安全で安心なモビリティとなるような、そんな視点を持って、これからも考えていきたいと思います。

問  もう1件伺います。内閣が発足すると、深夜に官邸で記者会見を行うのが恒例になっていたと思いますが、働き方改革等の観点から、今回から見送られました。大臣として、評価あるいは受け止め等ございましたらお聞かせください。

答  昨日も、10時頃には全ての日程が終わると言われておりましたが、結局、11時を過ぎてしまいました。それからまた深夜に記者会見となりますと、就任して、まだしっかりと各省庁の所管の事項が頭に入っていない時に記者会見を行うことになりますが、これは少しいかがなものかと思っております。河野前大臣が、そういうことは改善すべきだと言ったことについては、私は評価したいと思っております。

問  大臣は今期限りで引退を表明しておりますが、その辺りについてお考えをお聞かせください。

答  私は、今77歳。人生百年時代で、健康ならば70歳、75歳まで働けという時代ですから、私自身が、今この歳で大臣をやっているということは、違和感はないと思います。ただし、77歳という戸籍年齢は変更することはできません。しかし、一方、そうは言いながら、参議院というのは、私も地方出身なのですが、地方議会の人でも一生懸命真面目に勉強をして、いずれ、将来は中央に出て活躍したいという方が、一杯いらっしゃるわけです。そういう人の思いもよく分かっておりますので、そういう人たちに私もバトンをタッチして、また新しい人が新しい観点から国政で活躍してもらったらいいのではと考えております。一部のマスコミで、来年議員出馬しない人に、こういう大臣ポストを与えていいのかという、そんな論調もありますが、私は学校卒業して以来、地元の国会議員の秘書をし、地方議会を経験しており、私の持っている経験・体験・知見をこの1年間、一生懸命発揮して一定の成果を挙げていきたいと思っております。