国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和3年11月4日(木)11:35~11:40

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会では、案件として、「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」に対する意見の募集等がございました。公安委員会の報告は以上でございます。

問 大臣にお尋ねします。今ほどございましたが、道路交通法施行令の改正案がまとまりました。今回、高齢運転者対策として、来年施行が決まっていますサポカー限定免許、それから、運転技能検査の導入に関する規定が盛り込まれています。今回の政令改正案のポイント、それから、警察の対応についてのお考えをお願いします。

答 (大臣)高齢運転者の交通事故情勢が厳しいことを踏まえ、令和2年の道路交通法改正により、75歳以上で一定の違反経歴のある方に対する運転技能検査、また、申請による安全運転サポート車限定免許というものが導入されたわけでございます。
 新たに導入される運転技能検査について、その対象者の範囲を定めるとともに、安全運転サポート車限定免許については、例えば、大型免許と普通免許の両方を保有している場合、普通免許のみに安全運転サポート車限定条件を付与することはできないことを定めることとしています。
 来年5月13日を予定している改正法の施行に向けて、引き続き、下位法令の整備を進めるとともに、新制度の内容について広く国民に対して周知し、新制度への円滑な移行に向けて準備に万全を期していきたいと思っております。

問 長官にお伺いします。先月31日に、京王線の走行中の列車内で乗客が切りつけられる事件が起きました。8月の小田急線の事件を参考にしたという本人の供述等も報道されていますが、この事件についての長官の受け止め、今後の安全対策、また、被害者支援等についてお聞かせいただけますでしょうか。

答 (長官)まずもって、今回被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
 本件は、公共交通機関である鉄道の車両内で敢行された極めて凶悪で悪質な事件でして、現在、警視庁において、全容解明に向けて、鋭意捜査を進めているところです。
 この種の事案につきましては、早期の不審者・不審物の発見によって未然防止を図るということ、それから、事案発生時においては早期に状況を把握して迅速な対処を図ることが極めて重要であります。
 このために、鉄道事業者による自主警備に加えまして、警察におきましては、駅等で巡回、あるいは立ち止まって警戒をするといったことや、列車に乗車して警戒をするといった所要の対応を行っているところです。
 今回の事件を踏まえまして、改めて都道府県警察に対して、鉄道事業者等の関係機関との連携を強化しつつ、鉄道テロ等の違法行為の防止対策に万全を期すよう指示を行ったところです。
 さらに、鉄道事業者におかれては、新たな取組として、AIを含む最新技術を活用した不審者・不審物の検知機能の高度化等に取り組んでおられます。そういったことを受けまして、私ども警察としても、これらの取組に必要な協力を行い、複合的な対策を検討することが必要と認識をしているところです。
 最後に、被害者支援についてもお尋ねがございましたが、警察におきましては、必要に応じて、被害に遭われた方々に対して、その精神的な被害を軽減するためのカウンセリングを実施するなど、きめ細やかな支援に努めてまいりたいと考えているところです。