国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和3年12月2日(木)11:39~11:45

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会の会議の状況について申し上げます。案件につきましては、先立って執行されました、第49回衆議院議員総選挙における違反取締状況等がございました。以上でございます。

問  大臣にお伺いします。11月30日に、大臣は滋賀県を訪問されて、大津市の交通事故の現場の視察と交通安全活動に従事される方々と車座対話をされたと思うのですが、その中で特に印象に残ったことと、今後、交通安全に関しての取組についてのお考えを伺いたいと思います。

答 (大臣)一昨日、滋賀県に行ってまいりました。令和元年5月に、16名の園児等が信号待ちで待機しておったところに車が突っ込んでまいりまして、悲惨な事故が起こったわけであります。
 私自身、隣の京都府ということもございまして、大変印象に残っておった事件です。たまたま国家公安委員会委員長という役を頂きましたから、その現場に行って、なぜその事故が起きたんだということで、日程を組んでいただいたわけです。亡くなった園児等に哀悼の意を捧げて、滋賀県警察本部長にいろいろな状況を説明いただきました。
 これを機会に、更に一層、子供達の交通安全の教育の徹底と、子供達を事故からいかにして守るかということについて、思いを新たにしたのでございます。
 その後、県警本部で、滋賀県の各地域で子供達の通学・下校のために一生懸命取り組んでおられる方々、自営業者の方もいらっしゃいますし、お年寄りでボランティアの方もいらっしゃいますし、また、幼稚園、あるいは保育園の関係者の方もいらっしゃいましたが、そこでいろいろなお話があったわけでございます。それぞれ工夫して、子供達に対する安全教育に取り組まれておられる方もいらっしゃいますが、現場を預かっているボランティアの方が、段々と自分達が高齢化し、この後、こういう交通安全のためにボランティアとして活動してくださる方が見つからないとおっしゃっていました。ボランティアの高齢化、そして新しい人がなかなか見つからないという苦労話も伺ったわけでございます。これは交通安全だけでなく、日本社会全体が、ボランティアに支えられている部分もありますから、いかにしてボランティアの方に社会貢献活動に参加していただけるかということが、全ての分野における大きな今後の課題だなと思いました。
 警察庁といたしましても、全国の通学路における合同点検、すなわち危険箇所をいろいろと調査して、信号機や横断歩道の設置等、いろいろな方々の意見を参考にしながら、交通安全対策を一層進めていかなければならないと思いを新たにしたわけでございます。

問  長官にお尋ねします。特殊詐欺に使われている050番号の電話について、利用停止にするという新たな取組・対策の運用が11月26日に始まったところです。今回の取組の狙いについて、お考えをお願いします。

答 (長官)特殊詐欺につきましては、依然として、高齢者を中心とした被害が高水準で推移をしておりまして、深刻な情勢にあるものと認識をいたしております。
 その犯行においては、電話の仕組みが様々な形で悪用されております。これまで、例えば、固定電話番号の悪用防止のために、特殊詐欺に利用された電話番号の利用停止、あるいは利用停止対象となった番号を扱っていた一定の電話転送サービス事業者への新規の電話番号の提供拒否といった対策が実施されてきたところでございますが、こうしたなかで、最近目立っておりますのは、電話番号が050で始まるIP電話の悪用です。
 こうしたことで、また、新たに、関係省庁・事業者と連携をした上で、050番号につきましても、先ほど申しました利用停止等の枠組みに追加をいたしまして、その悪用防止を図るということを狙いとしたものでございます。
 今回の取組につきましては、犯行ツールの面から特殊詐欺対策を進めるというものでございますが、引き続き、徹底した特殊詐欺への取締りと併せて、関係省庁・事業者と連携をいたしまして、より実効性のある被害防止対策に努めてまいりたいと考えております。