国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和3年12月16日(木)11:45~11:48

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。二之湯委員長が国会対応のため欠席です。私が会見を代理いたします。案件については、「犯罪収益移転危険度調査書」の作成・公表等がございました。以上です。

問  長官にお尋ねします。ただ今、委員からございました「犯罪収益移転危険度調査書」がまとまったところです。今回、暗号資産に関する記載が充実されているということです。暗号資産は、世界中で取引が増大している中で、犯罪に悪用されるようなケースも出てきているところです。暗号資産に対する情勢についての御認識と警察庁としての取組について、お考えをお願いします。

答 (長官)ただ今、お尋ねのございました暗号資産につきましては、我が国でも利用口座数や取引額が増加傾向にございます。また、暗号資産の交換業者も増加している状況にございます。
 その一方で、暗号資産は利用者の匿名性が高い、あるいは、その移転がサイバー空間において国境を越えて瞬時に行われるというものでありますことから、我が国におきましても、例えば、特殊詐欺の被害金が暗号資産に転換されるなどマネー・ローンダリング犯罪に悪用される例が認められるほか、暗号資産交換業者からの疑わしい取引情報の届出の件数も増加傾向にございます。
 そのような中で、国家公安委員会・警察庁におきましては、届け出られました疑わしい取引情報の分析、そういった分析結果の都道府県警察等への提供といった取組を強化しているところでございます。いずれにしましても、サイバー空間における暗号資産によるマネー・ローンダリング対策というものは、正に重要性を増している状況にあると思っております。
 そのような観点も含めまして、サイバー事案への対処能力を強化するということで、既に、私どもの構想としては皆様にもお伝えしてございますが、サイバー事案に関する情報収集、分析、対策等を一元的に、より効果的に進めるためのサイバー局、これは仮称でございますけれども、これを設置すること、あるいは、重大なサイバー事案について捜査を行うサイバー隊、これも仮称でございますけれども、これを関東管区警察局に設置することなどを内容とする組織改正を、是非、来年度実現すべく、現在、鋭意検討を進めているところでございます。
 引き続き、この暗号資産を巡る問題につきましても、関係省庁、また諸外国と連携をしつつ、マネー・ローンダリング対策、サイバー空間の脅威への対処という側面で、取組を一層進めてまいりたいと考えているところでございます。