国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和4年3月10日(木)11:56~12:00

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。二之湯委員長が国会対応のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、令和3年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況等がございました。以上です。

問  長官にお尋ねします。ただ今委員からございましたが、昨年の非行、虐待等の記録がまとまったところです。児童虐待は、児相への通告件数、それから検挙件数とも過去最多を更新して、深刻な状況が続いていると思います。この現状への受け止め、警察としての対応についてお願いします。それから、子供の性被害について、SNS利用に起因した事件が高止まりの状況で、中でも、例えば、略取誘拐等の重要犯罪も目立っております。SNS利用に起因する子供の性被害についての現状の受け止め、警察としての対応についても、併せてお願いします。

答 (長官)ただ今触れていただきましたとおり、昨年中、児童虐待の通告児童数につきましては、児童虐待事件の検挙件数とともに過去最多を更新いたしました。また、SNSに起因をする事犯に係る被害児童数につきましても高い水準にございまして、特に重要犯罪等の被害児童数が増加傾向にあることから、いずれも深刻で憂慮すべき状況であると認識をいたしております。
 この児童虐待の問題につきましては、児童虐待が疑われる事案を認知した場合には、まず、児童の安全を直接確認し、その上で全国統一の「児童虐待危険度判定チェック票」等を用いて、児童虐待が疑われる事案の危険性・緊急性等の判断を行った上で、児童相談所に通告又は情報提供を行うなど関係機関と緊密に連携するとともに、事件化すべき事案については厳正な捜査を実施をすることで、的確な事案対処を推進しているところでございます。
 また、次に御質問のございました子供の性被害につきましては、違法行為の取締りということは当然でございますが、子供の性被害に至り得るSNS上の不適切な書き込みに対しては、メッセージを投稿いたしまして注意喚起を行っているほか、関係機関と連携いたしまして、非行防止教室等での児童に対する情報モラル教育、保護者に対する啓発活動や、フィルタリングの利用促進、あるいは、SNS事業者へ子供の被害状況を提供するなど事業者自身による被害防止対策を促進するといった取組を行っているところでございます。
 今後も、これらの取組を一層推進いたしまして、児童の安全確保、子供の性被害防止に全力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。