国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和4年5月26日(木)11:25~11:30

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。二之湯委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、令和3年度中における犯罪被害給付制度の運用状況などがございました。以上です。

 問  長官にお伺いいたします。子供の性被害防止プランについて伺います。旧プランの策定から約5年が経過して見直すことになりましたが、今回新たに作られたプランの特徴や重点事項についてお伺いしたいと思います。また、これらを踏まえて、警察としての取組を伺えればと思います。

答 (長官)ただ今お尋ねのございました子供の性被害防止プラン2022は、旧プランの策定から5年が経過し、SNSを利用した児童買春・児童ポルノ禁止法違反等が高水準で推移していることなどを踏まえまして、政府として、今後5年間を目途に取り組むべき施策を定めたものでございます。
 新たに盛り込まれた施策としましては、性犯罪・性暴力の加害者にならない、被害者にならない、傍観者にならないための「生命(いのち)の安全教育」の推進、それから、SNSの活用による相談しやすい環境整備、また、仮釈放中の性犯罪者等へのGPS機器の装着義務付けの検討、さらに、日本版DBSの導入に向けた検討などがございます。
 警察におきましては、盗撮による児童ポルノの製造など違法行為の取締りのほか、子供の性被害に至り得るSNS上の不適切な書き込みに対してメッセージを投稿して注意喚起を行っているところでございます。
 また、関係機関と連携をし、非行防止教室等での児童に対する情報モラル教育、また、保護者に対する啓発活動やフィルタリングの利用促進、さらに、SNS事業者へ子供の被害状況を提供するなど事業者自身による被害防止対策を促進するなどの取組を行っているところでございます。
 今後も、このプランに基づき、関係府省庁と連携をいたしまして、子供の性被害防止対策を鋭意推進してまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。先ほど委員からございました犯罪被害給付制度、昨年度の運用状況がまとまったところですが、申請数、裁定数、それから、支給裁定額のいずれも前年度より増加しております。今回の運用状況についての評価、受け止めについてお願いします。

答 (長官)お尋ねのございました犯罪被害給付制度の申請に係る被害者数、裁定に係る被害者数は、前年度と比較しますと増加しておりますが、中・長期的に見ますと、いずれも平成23年度をピークといたしまして減少傾向にございます。 これは、正に御案内かと存じますが、刑法犯により亡くなられた方及び重傷を負われた方の数自体が減少傾向にある、犯罪自体が減っておりますので、そういう状況にあるということが背景にあると考えられます。
 また、前年度と比較をいたしまして、支給裁定額の総額が増加した大きな理由は、裁定に係る被害者数が増加したということでございます。また、平均額が増加した理由といたしましては、一定の生計維持関係遺族がおられる被害者に係る裁定というのが、令和3年度は増加したということが一因ではなかろうかと考えているところでございます。
 いずれにしましても、警察庁といたしましては、この犯罪被害給付制度が犯罪被害者等の方々の犯罪被害の早期軽減に資するものとなりますよう、迅速かつ適正な制度の運用に、引き続き努めてまいりたいと考えているところでございます。