国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和4年9月15日(木)11:31~11:38

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、令和4年秋の全国交通安全運動の実施等がございました。以上です。

問  大臣にお尋ねします。ただ今ありました秋の全国交通安全運動が21日から始まりますが、今回の重点として、子供や高齢者を始めとする歩行者の安全確保、それから、夕暮れ時や夜間時の歩行者の安全と飲酒運転の根絶、それから、自転車のルール遵守の徹底等が重点として掲げられています。また、全国で通学路の一斉取締りも行われると聞いていますが、今回の運動の狙い、お考えをお願いします。

答 (大臣)近年の10月から12月の交通事故の分析では、薄暮時間帯には、「自動車と横断中歩行者」や「自動車と自転車」の死亡事故等が増加する傾向にあること、また、飲酒運転による事故が増加する傾向にあることなどの特徴があると思います。
 そこで、警察においては、関係機関・団体と連携し、このような交通事故の特徴を踏まえた対策を強化することとしております。
 具体的には、自動車運転者に対する早めのライト点灯の呼び掛け、信号機のない横断歩道における横断歩行者保護の徹底と通学路における全国一斉取締り、自転車利用者に対するヘルメット着用の広報啓発と悪質違反者の取締り、飲酒運転根絶に向けた社会環境の構築と取締りの強化等を通じて、1件でも多くの交通事故を減らすことができるよう警察を指導してまいりたいと思います。
 例年とそう大きく変わるものではございませんが、来年の春までに自転車利用者のヘルメット着用の努力義務が法律によって課されます。そういったことを踏まえて、しっかり今年の秋の全国交通安全運動にも取り組んでまいりたいと思います。

問   大臣にお伺いいたします。10月14日に全国犯罪被害者支援フォーラムが開催されますが、犯罪被害者支援についての御所感をお願いいたします。

答 (大臣)全国犯罪被害者支援フォーラムは、犯罪被害者支援に携わる関係機関や民間団体の関係者の参加を得て、犯罪被害者支援のための知識の向上や連携の強化を目的に毎年開催されているところであります。今回で27回目になろうかと思います。
 本年は、「今、性犯罪被害者支援に求められるもの」をテーマに開催 するものと承知しております。本フォーラムを契機として、全国において一層充実した犯罪被害者支援が推進されることを期待しているところでございます。
 性犯罪は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、その心身に長期にわたり重大な悪影響を及ぼすものであることから、被害者が相談しやすい環境の整備等、その支援を一層充実させる必要があると考えているところであります。今後とも、関係府省庁や自治体と連携・協力しながら、犯罪被害者の方々の視点に立った 施策を推進し、犯罪被害者及びその御家族の権利利益の保護が図られる社会の実現に向けて努力してまいりたいと思います。

問   長官にお尋ねします。今年上半期のサイバー空間の脅威をめぐる情勢がまとまったところです。特にランサムウェアの被害が引き続き増えている状況にあります。これを含めまして、今回の情勢への受け止め、警察としての対応をお願いします。

答 (長官)ランサムウェアについてのお尋ねでありますが、私どもに報告をされましたランサムウェアによる被害は、統計をとり始めた令和2年4月以降ですが、一貫して増加をしているという状況です。製造業、医療等の様々な分野で、事業活動の停止・遅延により社会経済活動に多大な影響が及ぶといった、極めて深刻な状況であると受け止めております。
 警察では、ランサムウェアのこうした被害実態を把握・分析をした上で、関係府省庁とも連携をして、被害防止のために執るべき具体的な措置を示した注意喚起等を行っているところであります。
 また、この種事案に対しましては、海外の捜査機関等と連携した国際共同捜査でありますとか、官民連携による被害防止対策が不可欠であります。こうしたことを踏まえて、本年4月に設置をされたサイバー警察局、サイバー特別捜査隊を中心に、こうした取組を進めてまいりたいと考えております。