国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和4年12月1日(木)11:14~11:19

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。谷委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、「サイバー事案被害の潜在化防止に向けた検討会」の開催等がございました。以上です。

問  長官にお伺いいたします。今委員からもございましたけれども、「サイバー事案被害の潜在化防止に向けた検討会」が開催されるとのことですが、サイバー攻撃の捜査や対策の課題とされている「被害の潜在化」の現状や、今回の検討会の狙いについて、お伺いできればと思います。

答 (長官)サイバー事案の被害につきましては、それを踏み台にして、広範囲に更に被害が波及したり、あるいは、同時多発的に類似の手口の犯行が行われたりという特質がありますので、私ども警察としては、事案の発生を早い段階で把握して対応する必要がある事案であります。
 しかしながら、実情を見ますと、このサイバー事案につきましては、被害を受けてしまったことに対するネガティブな評判が広まってしまうのではないか、あるいは、警察の捜査に協力することによってかなり負担が生じるのではないかという心配をして、被害の通報や相談がためらわれるという傾向があり、こういう「被害の潜在化」をいかに防止するかということが課題になっております。
 今日の委員会では、私ども警察の対処能力をより一層向上させるということが最も重要であるという指摘もございました。そういうことも踏まえながら、この検討会を立ち上げまして、現状の取組と課題を整理した上で、効果的な方策の実現に向けて、多様な観点から議論をしていただこうと考えてございます。

問  長官にお尋ねします。やはりサイバー関係ですが、昨日、警察庁とNISCが学術関係者や研究者、報道関係者を狙ったサイバー攻撃の注意喚起を行いました。今回の攻撃の特徴、状況、それから、研究者や国民に注意していただきたい点について、お考えをお願いします。

答 (長官)今お話がございましたように、昨日、私どもから注意喚起をさせていただきました。その対象となっているサイバー攻撃の特徴でありますが、国内の学術関係者、シンクタンクの研究者、あるいは、報道関係者の方に対して、実在する組織の社員や構成員をかたって、講演や取材の依頼を装うメールをやりとりして、本当にその人からのメールであると信じ込ませた上で、メール本文中のURLや添付ファイルを開かせて、ウイルスに感染をさせるという手口のものであります。
 国民の皆様には、特に学術研究者ですとか先ほど申し上げた方々が中心になりますが、ホームページにアップしている注意喚起文書に記載されておりますようなセキュリティ対策を適切に講じていただいて、更にそういう動きを把握した時には、私どもにも情報提供していただくといったことをお願いしております。
 警察では、サイバー特別捜査隊を中心に、取締りはもちろんでありますが、関係省庁と連携をして、サイバーセキュリティの強化に更に努めていこうと考えておりますので、国民の皆様への広報啓発についても、報道各社の皆様にも御協力いただいて、より一層取組を進めていきたいと思います。