国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和4年12月15日(木)11:35~11:42

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、警備業の要件に関する規則等の一部を改正する規則案等がございました。以上でございます。
 なお、私事ではございますが、1週間前、国家公安委員会の会議の最中に体調を崩し、御心配をおかけしました。病院で検査した結果、CTも含めて異常は無く、翌日の閣議も含めて予定どおり行動しているところでございます。御心配をおかけしましたことを、お詫びしたいと思います。以上です。

問  大臣にお尋ねします。令和4年版の「治安の回顧と展望」がこのほど公表されました。安倍元首相の銃撃事件を踏まえての警護の見直しが章立てされているところですが、今回の回顧と展望についての特徴、情勢に対する大臣の受け止めも含めましてお願いします。

答 (大臣)毎年、「治安の回顧と展望」は、警察庁の警備局が1年間の治安情勢を総括して、翌年の展望を記述しているところは御承知のとおりです。
 令和4年版の特徴といたしましては、まず、今御指摘のありましたように、「警護の見直しの推進」として、参議院選挙の前々日の今年7月8日に、奈良市内において、安倍元総理が銃撃され、それに伴い、警護についての検証及び見直しを記載しているというところが大きな特徴ではないかと思います。
 また、ロシアによるウクライナへの、いわば公然たる侵略をめぐる様々な情勢、さらに、来年5月に開催予定のG7広島サミット等に向けた様々な対策等、国内外の情勢について取りまとめをしていることが、今年の「治安の回顧と展望」の特色ではないかと思います。
 今後とも、国内外の情勢は、本当に文字どおり、時々刻々と変化し、1年前にロシアのウクライナ侵略ということがほとんど考えられなかった、想像できなかったように、大きく変化することもあり得ますので、今後も、こうした変化する情勢をしっかりと踏まえながら、国民の安全と安心を確保するという警察本来の業務をしっかり行うよう、警察庁を指導してまいりたいと思います。

問  長官に伺います。愛知県警岡崎署の留置場で勾留されていた43歳の男性が12月4日に息をしていない状態で見つかり、その後、死亡が確認されました。保護室で長時間にわたって身体を拘束する戒具が使用され、持病の薬が与えられていなかったほか、複数の署員が暴行した疑いがあることも明らかになりました。愛知県警が特別公務員暴行陵虐容疑等を視野に調べていますが、今回の事案に対する警察庁の見解と全国警察への指示等の対応についてお聞かせください。
 もう1点ありまして、昨日、9月に大阪府警福島署で容疑者が自殺した問題について、府警が調査結果を公表し、署員が内規に反して容疑者の私物保管庫を点検していなかったにもかかわらず、点検したとする虚偽の報告をしていたことなどが明らかになりました。今回の調査結果についての警察庁の見解と、今回の事案から得られる教訓をどのように全国警察に周知徹底するか、また、愛知の件も含めて留置場での不適正事案が相次いで発覚したことについて、どのように受け止めてらっしゃるか、お考えをお聞かせください。

答 (長官)まず、大阪の事案の方から申し上げたいと思います。今お話がございましたとおり、大阪府福島警察署の事案につきましては、昨日、大阪府警において、調査の結果と、その結果を踏まえた懲戒処分等の内容について、公表されたところであります。また、この種の事案を二度と起こさないようにするための再発防止策についても、併せて大阪府警から明らかにされました。
 私ども警察庁といたしましても、この大阪府警における事案は、誠に遺憾であり、重く受け止めております。これを踏まえまして、昨日、全国の都道府県警察に対しまして、全留置施設の緊急点検を行うように指示したところであります。
 また、愛知の事案についてもお尋ねがございました。12月4日、愛知県岡崎警察署の保護室に収容されていた男性被留置者が、病院に搬送されて、その後死亡が確認されたと承知しております。
 現在、愛知県警において、この被留置者の方に対する処遇が適切であったかどうかについて、刑罰法令に触れる行為の有無も含めて、刑事部門の担当者も加えて、厳正に調査を行っているところであります。この調査の過程で刑罰法令に触れる行為が認められれば、所要の捜査を行うということになると考えております。