国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和4年12月22日(木)11:29~11:39

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、遺失物法施行規則の一部を改正する規則案等がございました。私からは以上でございます。

問  大臣にお尋ねします。年末も近いですが、自動車利用、飲酒運転等の交通事故が懸念される時期でもあります。1年を通しての交通事故の発生状況と事故防止について、大臣のお考えをお聞かせ下さい。

答 (大臣)交通事故でございますが、11月末現在の交通事故死者数は2,330人と前年同期比で22人、0.9%の減少となっています。
 また、飲酒運転による死亡事故件数は104件であり、前年同期比で31件減少しております。
 何とか、年末もこの傾向で前年よりも減少であればと思っております。
 そうは言いましても、年末にかけては、例年、飲酒運転による事故のほか、夕暮れや夜間における死亡事故が増加する傾向にございます。
 自動車利用の帰省に関し、長距離移動等による事故の発生も懸念されるところでございます。
 年末にかけ、悲惨な交通事故を防止するため、引き続き、関係機関・団体と連携しながら、夕暮れや夜間における歩行中・自転車乗用中の交通死亡事故防止に向けた広報啓発や街頭指導、飲酒運転をはじめとした悪質・危険な交通違反の指導取締り等の諸対策を一層強化するよう、警察を指導してまいりたいと思っております。
 私もコロナで飲酒運転、飲む機会が減ったのではないかと思い、コロナ前の令和元年と比較してみますと、飲酒死亡事故件数は令和元年11月末で163件、令和4年11月末で104件でございますので、相当減っている、3分の2程度に減っているということが言えるのではないかと思います。

問  大臣にお尋ねします。改正道路交通法ですが、施行日を決める政令が今月20日に閣議決定され、これによって来年4月1日からは、自転車に乗る全ての人を対象にヘルメット着用が努力義務として課せられることになりました。自転車に乗る方は、まだまだヘルメットをかぶる方は少ないですが、このヘルメット着用の普及、定着に向けてどのように進めていくかを含めましてお考えをお願いします。

答 (大臣)今週火曜日の閣議で施行期日を定める政令案が決定され、4月1日から施行ということが確定しました。仰られるように自転車乗用中の交通事故による被害軽減を図るためには、ヘルメットの着用は大変効果的であると認識しております。
 そのことを自転車を利用する一人一人に十分に理解してもらうことにより、ヘルメットの着用が定着していくものと考えております。
 そこで、ヘルメット着用の定着に向けて、学校や自転車関係事業者等の関係機関・団体と連携し、この度の改正道路交通法の内容やヘルメットの着用効果について、交通安全教育や広報啓発を一層強化するよう、警察を指導してまいりたいと思います。
 先ず隗より始めよということで、できる限り警察においても、4月1日から義務付けではありませんが、努力義務となっておりますので、ヘルメットの着用が定着するよう頑張ってまいりたいと思います。

問  長官に伺います。今年は4月にサイバー警察局やサイバー特別捜査隊が設置されて大規模な組織改編がありまして、7月には安倍元首相の銃撃事件が起きて要人警護を抜本的に見直す形になりましたが、警察庁はもちろん、長官に就任された長官御自身にとっても激動の1年だったのではないかと思うのですが、改めて今年1年を振り返られて、御所感と来年に向けて新たに取り組みたいことなどがあれば、お伺いできればと思います。

答 (長官)この1年非常に長かったという印象であります。今お話がございましたが、28年振りとなる警察庁内部部局の再編、そして何よりも、現行警察制度がスタートいたしました昭和29年以後初めての警察庁直轄の国の法執行機関、サイバー特別捜査隊の新設がありました。
 これにより新たな取組を開始したということでありますが、その矢先の7月8日午前11時31分、安倍元首相銃撃事件の発生を許してしまうという事態がございました。日本警察にとって正に痛恨の極みでありました。
 私は当時次長で、この銃撃事件が発生したその検証と再発を防止するための見直しの作業の責任者としてこれに従事いたしました。徹底した検証と反省、その上に立たなければいつかまた同じような事態が起こるという強い危機感を持って、この作業に従事いたしました。
 それによって出来上がりましたのが、先ほどお話のありました新たな警護要則であります。警察庁自らが都道府県警察が作成する警護計画の案を審査して警護に関与するという仕組みであります。施行後3か月が経過いたしましたが、これまでに約1,000件の警護計画案の審査を警備局警備運用部で行っております。
 こうした、私が「警戒の空白」と呼んでおります問題が生じていないか、という点検をする必要がある業務は警護だけではないと思っております。なかなか被害の減らない特殊詐欺がそうでありますし、サイバー攻撃、対日有害活動、そして新たな小型モビリティ、あるいは自転車等々、課題は山積していると認識しています。
 来年に向けて、リソースの再配分をはじめ、「警戒の空白」を解消するためのプロジェクト、これはまだ始動したばかりであります。その取組を来年是非本格化させていきたいという決意を新たにしているところであります。