国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和5年1月12日(木)11:15~11:24

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本年もまたよろしくお願いいたします。本日、今年初めての国家公安委員会定例会議を開きました。案件については、令和4年中の交通事故死者数等でございます。私からは以上でございます。

問  大臣、本年もよろしくお願いいたします。大臣に伺います。先ほどお話しがありました、昨年中の交通事故死者数が取りまとめられました。事故発生から24時間以内に亡くなられた方は6年連続で過去最少を更新して、2,610人となりました。政府は令和7年までに死者数2,000人以下とする目標を掲げています。これらを踏まえて、昨年の交通事故情勢の大臣の認識と、警察としての取組をお伺いできればと思います。

答 (大臣)御指摘のように、昨年の交通事故死者数が2,610人ということで、6年連続で最少を更新しました。昭和23年から警察庁が保有する統計で最少であり、その要因は、政府をはじめ、関係機関・団体や国民一人一人が交通事故の防止に向けて、様々なことに積極的に取り組んできた結果だと考えております。
 ピークの1万6,000人を超えた昭和45年ですか、それから見ると相当減っているということは事実でありますが、見方を変えれば、毎年2,600人以上の方が亡くなっている、交通事故で失われているという、そのこと自体は重い事実であります。それはしっかり受け止めなければならないと思います。
 このような交通事故情勢を踏まえて、御指摘の政府目標に定めた第11次交通安全基本計画に基づき、各界各層とも連携しながら、これは度々国民に呼び掛けていることでございますが、こどもや高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保、自転車の交通ルール遵守の徹底、また、飲酒運転等の悪質・危険な交通違反の取締り等の多角的な取組を効果的かつ強力に推進するよう、警察を指導してまいりたいと思います。

問  大臣、本年もよろしくお願いします。大臣、1点お伺いします。110番の関係ですが、一昨日「110番の日」ということで、昨年の110番の受理状況がまとまったところです。依然として警察の緊急対応を要しない通報というのが多いようです。一方で、昨年10月からは映像通報システムの試行が始まっていて、活用が進んでいるようですが、4月の本格実施を予定しているということで、この取組を含めまして、110番通報の状況についてのお考えをお願いします。

答 (大臣)昨年1月から11月までの間の110番の通報受理件数ですが、前年同期と比べて約66万件増加し、約850万件に上っております。
 ただし、そのうち、御指摘のように、警察官による緊急の対応を要しない通報が全体の約2割を占めております。こういう緊急の対応を要しない相談等は「#9110」の番号の相談電話を利用していただきたいということをお願いしているわけでございますが、引き続き、こういうPRも兼ねて、110番は飽くまでも緊急の場合に利用していただくということを徹底していきたいと思います。
 また、110番の映像通報システムは、試行運用の開始から3か月が経過したわけでありますが、今までの実績を見ますと、被疑者の検挙、あるいは、山岳遭難者の救出等に役立った事例があり、既にその効果が表われてきていると考えているところであります。
 本年4月の本実施に向けて、改善の必要性についても試行を踏まえて検討を進めて、更なる安全・安心の確保につなげていきたいと考えております。引き続き、国民の皆様の御理解と御協力をお願いしたいと思っております。

問  本年もよろしくお願いいたします。長官にお伺いいたします。安倍元首相の銃撃事件から半年が経過しました。事件を受けた新たな警護要則を制定して、都道府県警が作成する警護計画を警察庁が審査する新しい仕組みを導入されましたが、今年は統一地方選やG7広島サミット等も控えておりますが、新たな要人警護の仕組みの現在の運用状況や今後の課題についてお聞かせください。

答 (長官)安倍元総理銃撃事件の反省を踏まえまして、今お話がありましたが、都道府県警察が作成する警護計画の案を、原則として警察庁が事前に審査するという仕組みが、新たな警護要則の下で導入されました。この要則に基づきまして、昨年警察庁が審査した警護計画の案は約1,300件であります。この審査を通じて、都道府県警察に対する警護の実施の指導をしてまいりました。
 今年は、今お話がありましたが、まず、春に統一地方選挙が行われます。この選挙期間中の要人警護でありますが、屋外等のオープンスペースで行われる場合が多い、あるいは、一時期に多数の警護を実施するといった特徴がございますので、警護計画の案を警察庁が審査するに当たっては、迅速かつ的確に行うことが必要になってまいります。
 そこで、例えば、街頭演説が行われることが予定されている場所については、都道府県警察と私ども警察庁の担当者が合同で実査するということでありますとか、あるいは、それぞれの都道府県で頻繁に要人警護が行われることが予想される、そういう場所をあらかじめ抽出いたしまして、それについての警護計画の案を早い段階で作成しておき、それについて審査するという、いわば予備審査を行うといったような取組をこれから本格化させていくこととしております。
 もう一つの警護の課題がG7サミットであります。こうした大規模行事につきましても、新警護要則に基づく、先ほど申し上げたような措置を、当然的確に行っていくということになりますが、併せて、装備資機材の充実等を通じて警護そのものを高度化させていくことが必要でありますし、また、各都道府県警察におけるリソースの再配分によって警備部門の体制を強化していくことが必要になってまいります。こうした取組を通じて、要人警護を的確に行っていく所存であります。