国家公安委員会委員長記者会見要旨(関連部分のみ)

1 日時 令和5年2月3日(金)8:55~9:09

2 場所 中央合同庁舎8号館5階共用会議室B

3 概要  

問   広域強盗の件についてお伺いします。「報道特集」では、2020年にフィリピンの収容所から特殊詐欺が行われていることについて放送しました。その際には、「中から強盗が行われているということについて、日本警察に通報した。」という方の証言を放送しています。また、今回取材すると、「あのグループが人の命も奪いかねないような凶暴なグループであるということについて、具体的な情報と共に日本警察に情報提供した。」という人の証言も得ています。それ以来2年近く経ってここに至るまで送還が実現していないわけですが、この間の日本警察の対応は適切だったと大臣はお考えでしょうか。

答  日本政府といたしましては、フィリピン当局に対し、2019年11月以降、順次退去強制の要請を行ってきました。何もしていないということではございません。今般、改めて早期の退去強制を要請し、フィリピン当局において、積極的に対応をしていただけるものと承知しているところであります。
 この間のことについてお話がございましたが、我々といたしましては、順次退去強制の要請を行ってきたと。ただ、我々は要請する立場ですから、フィリピン当局においてどういうふうに検討が行われてきたのかということにつきましては、国家公安委員会委員長としてお答えする立場にはないということを、どうか御理解を願いたいと思います。
 いずれにいたしましても、被疑者の身柄の確保に向けたフィリピン当局との調整が迅速に進められるよう、引き続き、しっかりと警察を指導してまいりたいと思います。

問   やはり、強盗殺人という、強盗で人が亡くなるという重大な事件が起きて初めて、この肝心のグループの幹部の強制送還について動き始めたということからすると、こういう重大な事件が起きない限り、逆には事が動かなかったのではないかというふうにも見えてしまう、そのことについて不安に思う国民も多いと思うのですが、その間の日本警察の対応について反省点等大臣の考えがあれば、ぜひお伺いしたいのですが。

答  今、今回初めてというお話がありましたが、繰り返しになりますが、そういうことはございません。我々といたしましては、容疑者がフィリピンで拘束されている、そのことは3年ほど前から分かっていましたから、2019年11月以降、順次、それらについて働き掛けをしてきたと。しかし、結果としてそれが実現できなかったというのは残念でございますが、とにかく今、フィリピン当局の方も、できる限り日本の要請に応えたいという意向を示しているようでございますので、この機会にぜひとも早期に強制送還されるよう頑張ってまいりたいと思います。
 今回の事件で強盗殺人という大変ショッキングな事件がございました。お亡くなりになられました被害者の御冥福を本当に心よりお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げたいと思います。
 こういうショッキングな事件がなければ動かなかったということではございませんので、その点だけ、どうか御理解をいただければと思っております。