国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和5年2月9日(木)12:14~12:20

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。谷委員長が公務のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、改正道路交通法の施行後の状況等がございました。以上です。

問  長官にお尋ねします。ただ今委員からございました改正道交法の施行状況がまとまりました。昨年5月から12月までの新たに導入された運転技能検査について、合格率が都道府県でバラツキも出ています。あと、サポカー限定免許も全体で14人の申請にとどまっています。一方で、いわゆる受講待ちの問題は、一定期間ですが短縮されているという、新たな制度の効果も表れているかと思うのですが、現在の施行状況への受け止め、警察としての対応についてお願いいたします。

答 (長官)令和2年の改正道路交通法についてのお尋ねでありますが、昨年の5月13日に施行されました。警察では、改正法の施行に併せて、高齢者講習、認知機能検査の合理化・効率化を行ってまいりました。
 このうち、運転技能検査でありますが、お話にありましたように、都道府県によって合格率にややバラツキはございますが、全体としては、おおむね円滑に運用されているのではないかと考えております。
 また、サポートカー限定免許でありますが、これは引き続き、関係団体等と連携しながら、制度の更なる周知に努めていかなければならないと考えております。
 さらに、高齢者講習の受講、認知機能検査の受検については、先ほどお話がありましたように、一定程度円滑化が図られていると、法の目的は一定程度達成されているのかなと考えております。
 今後とも、こうした制度を効果的に運用して、高齢運転者による交通事故の抑止に努めていきたいと考えております。

問  長官にお伺いします。一連の強盗等の事件に関連して、2019年の特殊詐欺事件で逮捕状が出ていた4人がフィリピンから退去強制になりまして、警視庁に逮捕されました。フィリピンでの4人に対する告訴事案等国内事情がある中で、最初の退去強制の要請から3年程度かかったことになると思いますが、これまでの手続の経緯と、課題として浮かんだ点等ございましたらお答えください。

答 (長官)御指摘の被疑者4名についてでありますが、特殊詐欺の容疑でそれぞれ逮捕状の発付を得るなどして、フィリピン当局に対しまして、2019年11月以降、順次、退去強制の要請を行ってまいりました。
 フィリピン当局におきましては、同じ月、2019年の11月でありますが、この4人とは別の特殊詐欺の被疑者36名の身柄を拘束して、2020年2月から2021年7月までの間に、順次退去強制を行ってきました。御指摘の4人については、2021年4月までに、まず、順次身柄の拘束がございましたが、フィリピン国内における処理すべき係争事案があったということで、退去強制がこの時期になったと承知しております。
 私ども警察としては、まずは、逮捕事実である特殊詐欺事件、そしてさらには、一連の強盗等の事件について、この4人が首謀したのかどうかを含めて、事案の全容解明に向けた捜査を進めていくということが先決であると考えております。そうした中で、取り組むべき課題が明らかとなってまいりましたならば、それに適切に対応していくということになると考えております。

問  今のに関連しまして、一連の強盗等の事件ですが、現時点で警察庁が把握している発生状況、検挙状況について改めて教えてください。それから、今もありましたが、4人が移送・逮捕されたことで捜査が本格化するはずですが、この事件の捜査の方針等についても併せてお願いします。

答 (長官)SNSで実行犯を募集する手口等に着目をいたしますと、2021年の夏以降でありますが、14都府県、具体的には、東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、滋賀、京都、大阪、岡山、広島、山口、そして福岡でありますが、こうした都府県において50数件の窃盗・強盗等の事件を把握しております。それぞれの都府県警察において、これまでに実行犯60数名を検挙いたしております。
 ただし、これは今も申し上げましたとおり、手口等が類似しているというだけでありますので、これらの事件全てについて、今回フィリピンから退去強制を受けた被疑者4人の関与の疑いがあるという意味ではありません。
 いずれにしましても、今般、フィリピン政府の協力によって、これら4名の被疑者を逮捕するとともに、スマートフォン等の証拠品を押収するに至ったということは、捜査上極めて大きな前進であると考えております。特殊詐欺はもちろんでありますが、窃盗・強盗等への関与の状況を含めて、全容解明に向けた捜査を強力に推進してまいりたいと考えております。