国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和5年2月16日(木)11:30~11:38

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、「自転車の防犯登録を行う者の指定に関する規則の一部を改正する規則案」に対する意見の募集、パブリックコメント等がございました。以上です。

問  大臣にお伺いいたします。トルコで起きた地震被害に関してなのですが、日本からも国際緊急援助隊が現地に派遣されて、警察の職員の方も救助チームとして現地で活動されました。大変厳しい現場環境であったとも聞いておりますが、現地での活動状況について、大臣の御所感をお伺いしたいと思います。

答 (大臣)この度のトルコ共和国を震源とする地震で、大変多くの方が亡くなられました。心よりお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
 私も先週、トルコ大使館に直接行きまして、大使にお見舞いを申し上げました。
 そういう中、今般の地震の発生直後に、我が国として国際緊急援助隊・救助チームをトルコ共和国に派遣し、警察からは23名の隊員及び警備犬4頭が参加したわけであります。
 我が国が救助活動を行ったカフラマンマラシュは、テレビでも報じられておりますように、夜には氷点下となる過酷な現場で、余震も頻発する大変厳しい環境だったと承知しております。また、寝泊まりも、もちろんホテル等ではなくて、バスの中で交代して寝泊まりした、外でのテントでの寝泊まりはできるような環境ではなかったと。それだけ寒かったとお聞きしています。
 そういう中で、文字通り昼夜を分かたず、24時間活動していましたので、懸命に任務に取り組んだ隊員らに対し、心から敬意を表するとともに、救助に携わった隊員から話を聞く機会を設けたいと、できれば来週早々にでもと考えているところであります。
 引き続き、この地震、あるいは火山の噴火というのは、いついかなる形で、どこで起きるかも分かりません。我が国として、国際貢献のために活動できる人材の育成を念頭に訓練等に取り組むよう、警察を指導してまいりたいと思っております。
 なお、聞いている限りでは、今回の国際緊急援助隊で、現地で調子が悪くなった隊員はいないと聞いており、その点は良かったと思っております。

問  長官にお尋ねします。安倍元首相の銃撃事件の関係ですが、奈良県警が捜査を進めまして、このほど山上被告に関する余罪も含めて全て送致を終えて捜査が終結したというところです。今後は公判に向けて色々と手続が進んでいくわけですが、この事件は警察庁にとっても極めて重大で、色々得られた教訓もあろうかと思います。今回の事件についての長官自身のお考えを、改めてこのタイミングで伺えればと思います。よろしくお願いします。

答 (長官)安倍元総理銃撃事件につきましては、民主主義の根幹である選挙が行われる中で敢行された卑劣な蛮行であるということを、まず言わなければならないと思います。奈良県警においては、犯行に至る経緯でありますとか、犯行の準備状況等の全容解明をした上で、今週2月13日、奈良地方検察庁への余罪送致を全て終了いたしました。
 今お尋ねのありました、この事件を通じて得られた教訓でありますが、私は3つ挙げられるのではないかと思います。
 一つ目は、何よりも、本件が警察が警護をしている中で、警戒が手薄であった元総理の背後からの犯行を許してしまったということであります。
 これは、かねてから申し上げているとおり、痛恨の極みであります。こうした事態が二度と起こらないように、新たな警護要則を制定して、警察庁も関与した上で、全国の都道府県警察を挙げて、警護の刷新に現在も取り組んでいるところであります。
 二つ目の教訓は、捜査の結果、判明したことでありますが、手製の銃が用いられたということであります。しかも、この銃から発せられた銃弾によって元総理の左右の鎖骨下動脈を損傷させて失血死に至らしめたと、これが致命傷になったということでありますが、このように極めて威力の強い銃であったということであります。
 私ども警察におきましては、このような手製の銃が犯罪に用いられるということを、これからは想定しなければならないということであります。サイバーパトロール等を通じて、インターネット上に流通する銃に関係する売買等の情報をしっかり集めた上で、違法な銃の製造、取引等についての取締りでありますとか、銃の製造方法等の有害情報の削除依頼等の取組を現在も行っているところであります。
 三つ目は、山上被告人による単独の犯行、いわゆるローン・オフェンダーによる犯行であったということであります。
 このローン・オフェンダー対策というものが、今後ますます重要になると考えております。この対策を的確に講じる上で、インターネット上の公開情報の収集を含めた情報収集活動の強化が今後必要になってくる、という認識でおります。
 今年は、もう統一地方選挙が近づいておりますし、その先にはG7広島サミット等の大規模行事がございます。要人警護をはじめ、警備の万全を期してまいりたいと考えております。