国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和5年3月2日(木)11:49~11:54

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。谷委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、令和4年における交通事故の発生状況等がございました。以上です。

問  長官にお伺いいたします。ただ今委員からもございましたが、昨年の交通事故の発生状況と、あと分析がまとまったところです。今回の特徴であるとか、それに対する警察としての取組の方向性についてお伺いできればと思います。

答 (長官)昨年の交通事故死者数は、もう既に発表いたしておりますが、2,610人となっております。6年連続で過去最少を更新いたしました。
 他方で、今お尋ねありましたが、昨年中の交通事故の発生状況については、ここでは二つの点について申し上げたいと思います。
 一つ目は、自転車対歩行者の死亡・重傷事故が高止まりしているということであります。そのうち、自転車の法令違反としては前方不注意や安全不確認等の安全運転義務違反が約7割で最も多くなっております。
 やはり、改めて自転車の交通ルール遵守の徹底を図る必要があると考えております。
 また、この自転車の交通ルールの遵守の徹底を図ることができるかどうかは、今年の7月1日施行予定で今提案いたしておりますが、いわゆる電動キックボード、特定小型原動機付自転車の今後を占うことにもなると思います。この特定小型原動機付自転車についても交通ルールの周知を図ることを重点に、今後取組を進めていきたいと考えております。
 二つ目の特徴でありますが、やはり死亡事故の加害者、被害者のいずれについても、高齢者の占める割合が依然として高くなっているということであります。
 この点については、昨年導入いたしました運転免許証更新時における運転技能検査をはじめとする高齢運転者対策を推進するということが重要でありますし、その他高齢者をはじめとする歩行者の安全確保と自動車に対する歩行者保護意識の徹底、これを図っていくことが重要であると考えております。
 悲惨な交通事故を防止するために、今後とも、関係機関・団体と連携しつつ、諸対策を進めてまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。昨年のいわゆる人身安全事案、ストーカー、いわゆるDV、それから児童虐待事案の昨年の対応状況がまとまったところです。特に、ストーカーですが、緊急も含めた禁止命令が法施行後最多を更新しており、検挙も増えております。一方で、福岡で女性が刺殺されるといった凶悪事件に発展するケースも依然としてあります。この全体について、現時点の長官の受け止め、警察としての対応についてお願いします。

答 (長官)今お話のありましたとおり、ストーカー、DV、それから児童虐待、それぞれ重要な指標となる数値が過去最多となっております。こうした情勢については引き続き注視していかなければならないという認識でおります。
 この中で児童虐待でありますが、被害児童数は高い水準で推移しているのですが、無理心中であるとか出産直後のものを除いた死亡児童数は過去最少となっておりまして、警察と関係機関が連携した取組に一定の効果が出ているという面もあろうかと思います。
 今御指摘のありましたストーカー事案でありますが、事態が急展開して重大事件に発展するおそれがあるという特徴がございます。現に今年1月、福岡県福岡市博多区において、禁止命令等の措置を受けていたにもかかわらず、その者によって元交際相手の方が殺害されるという痛ましい事件が発生したのは記憶に新しいところであります。
 私ども警察におきましては、こうしたストーカー事案の実情をしっかり踏まえた上で、被害者の方の安全確保を最優先に、最大限の措置が速やかに講じられるように、関係機関等との連携の下で、組織的な対応をしっかり進めていきたいと考えております。