国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和5年3月9日(木)11:50~11:55

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、令和4年における少年非行及び子供の性被害の状況等がございました。以上です。

問  大臣にお伺いします。今お話ありましたが、令和4年の少年非行の状況がとりまとめられましたが、今回の特徴とそれに対する今後の取組の方向性について伺えればと思います。

答 (大臣)特徴としては、平成16年以降、18年連続して減少していた刑法犯少年の検挙人員は、戦後最少であった前年に比べて僅かにではありますが増加したということがございます。
 また、その中で、特殊詐欺の検挙人員も少年について前年に比べて増加しており、その中には、SNS等で募集されるアルバイトに応募し「受け子」等に関与することになった事例もみられております。
 一方、平成26年以降、一貫して増加傾向にあった大麻事犯の検挙人員につきましては、依然として高い水準ではあるものの、過去最多を更新した前年に比べて減少しております。
 今後の取組でございますが、こうしたことから、少年の健全育成の推進を図るため、取締りのみならず、大麻乱用の危険性はもとより、SNS等で募集されるアルバイトには、 犯罪の首謀者に重大な犯罪に加担させられ、自らも犯罪者となってしまう危険なものもあることなどについて、非行防止教室等をはじめとする様々な機会を通して少年に具体的に伝えていくよう、引き続き警察を指導してまいりたいと思っております。

問  長官にお尋ねします。子供の性被害も、昨年の状況がまとまったところです。児童ポルノ事案が増えていたりします。それから、SNSを通じて知り合った相手から犯罪被害に遭ったという子供も依然として多いようです。深刻な状況だと思いますが、今回の状況への受け止め、警察としての対応についてお願いします。

答 (長官)今、御指摘がございましたように、二つほど注意を要する点があろうかと思います。
 一つ目は、児童ポルノ事犯の検挙件数・人員、被害児童数がいずれも増加傾向にあるということであります。
 なかでも、検挙人員に占める10歳代の割合が半数近くに上っており、特に、高校生が安易にスマートフォン等で自分の性器等の自撮りをしてSNS上にアップするといったような形で、自ら児童ポルノ事犯の被疑者となってしまうという実態が多くみられます。
 二つ目の注意点としては、SNSに起因する子供の性被害については、そのきっかけとなる投稿の約4分の3が、その被害児童自身によるものであるということであります。
 その半数以上が、ただ自分のプロフィールを紹介するだけというような、一見すれば犯罪に巻き込まれるとは思えないような投稿に起因するということがうかがわれます。
 こうした状況を踏まえまして、警察といたしましては、スマートフォンやSNSの利用には、被疑者にも被害者にもなってしまうというリスクが潜んでいるということをしっかりと広報・啓発するなどによりまして、子供の、そういう意味でのITリテラシーの向上を図っていくということに、引き続き努めていきたいと考えております。