国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和5年3月16日(木)11:44~11:47

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。谷委員長が欠席のため、私が記者会見を代理いたします。案件については、令和4年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等などがございました。以上です。

問  長官にお尋ねします。ただ今ありました昨年のサイバー情勢がまとまったところですが、例えば、ランサムウェアの被害が増えています。それから、フィッシングによるネットバンキングの不正送金等が増えている情勢にあります。今年5月にはG7広島サミットが開催され、サイバー攻撃も懸念されるところですが、こうした情勢に対する受け止め、警察としての取組についてお考えをお願いします。

答 (長官)サイバー空間をめぐる脅威につきましては、今回発表させていただいたとおり、大変深刻な状況にあると思います。私からは三つほど特徴を申し上げたいと思います。
 一つ目は、今お話にもありましたランサムウェアによる被害が増大しているということであります。
 製造業、医療その他様々な分野で、ランサムウェアによって事業の停止・遅延等の被害が生じているという実態にございます。
 引き続き、これら事業者を中心としてシステムのぜい弱性対策等の徹底を呼びかけていくということが重要であろうと考えております。
 二点目の特徴としては、フィッシングによるインターネットバンキングの不正送金被害の急増が挙げられると思います。
 金融機関等を装ったいわゆるフィッシングサイトへ誘導するメールが多数確認されており、こういうメールを受信しないということが一番根本的な解決策であろうと思います。そういうメールをショートメッセージサービスで受信できないようにするためのスミッシング対策でありますとか、なりすましメール防止技術であるDMARC(ディーマーク)の導入といった対策の普及・強化が重要であると考えております。
 三つ目の特徴はサイバー攻撃であります。我が国の事業者や学術関係者等を標的としたサイバー攻撃が多数確認されました。また、こういうサイバー攻撃の準備行為とみられる、いわゆるポートスキャン等の探索行為が非常に多数確認されているという状況であります。
 御指摘のとおり、今年は、間もなくG7広島サミットが開催されます。これに関連するサイバー攻撃が懸念されるところであります。
 警察といたしましては、取締りを徹底するということはもちろんでありますが、政府一丸となったサイバーセキュリティの確保、貢献に向けて一層努力してまいりたいと考えております。