国家公安委員会委員長記者会見要旨(関連部分のみ)

1 日時 令和5年4月13日(木)10:50~10:54

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、特殊詐欺の手口と対策等でございました。以上です。

問  大臣にお伺いいたします。今週の火曜日にカンボジア国内を拠点とする特殊詐欺グループの架け子19人を警視庁が逮捕いたしました。このように海外を拠点として日本国内に特殊詐欺の被害を発生させるグループの情勢と、今後の対策の方向性についてお願いいたします。

答 (大臣)カンボジア国内から日本に電話を架けるなどして特殊詐欺の犯行に及んでいたとの疑いで、御指摘のように今月11日、カンボジアを退去強制となった19名を警察において逮捕したとの報告を受けております。
 特殊詐欺については、犯行拠点が多様化しており、今回の事案のみならず、先般、フィリピンの事例を含め、国外に拠点を置いて犯行に及ぶ事例も幾つかみられて確認されているところであります。
 警察では、被疑者が国外に所在する場合には、ICPO等を通じた捜査協力、外交ルートや条約・協定を活用した国際捜査共助等を推進しているものと承知しており、私といたしましては、今後とも、外国捜査機関等とより積極的に情報交換を行うなど、一層緊密に連携するよう、警察を指導してまいりたいと考えているところであります。
 また、国会でも内閣委員会、あるいは決算委員会等で、「この特殊詐欺の活動が国外に広がって、外国の捜査機関とのより一層の連携を進めるべきではないか」という意見もいただいているところであります。

問  長官にお尋ねします。やはり特殊詐欺の関係です。先に大臣からありましたように手口と対策、通信手段について調べているということですが、今回の調査分析で分かった特徴点、それを踏まえまして警察としてそれに対してどのように対策を進めていくかお考えをお願いします。

答 (長官)この「特殊詐欺の手口と対策」、これは当庁の猪原組織犯罪対策部長が自ら執筆した力作であります。内容は多岐にわたっておりますが、私からは通信手段について二つ強調しておきたいと思います。
 一つ目は、犯人から被害者に架かってくる電話機のほぼ全てが固定電話であるということであり、したがって、その対策が重要であるということであります。
 この点につきましては、NTT東日本、西日本の両社で、70歳以上の固定電話契約者等を対象として、相手の電話番号を表示するナンバー・ディスプレイでありますとか、番号非通知の着信を拒否するナンバー・リクエストといったサービスを無償で提供するということが発表されております。
 このサービスが普及いたしますと、犯人が使用した電話番号の利用停止でありますとか、自動的に着信拒否をするといった被害防止対策が進むことになりますので、私ども警察といたしましても、このサービスを対象世帯に確実に届ける取組を進めてまいりたいと考えております。
 もう一つの特徴は、誰が使っているのか分かりづらい匿名性の高い通信手段が犯人に悪用されているということであります。
 その一つが、「電話転送サービス」であり、もう一つが、「050IP電話」、あるいは「データSIM」といわれる通信手段であります。
 いずれにつきましても、先日、犯罪対策閣僚会議で取りまとめられました緊急対策プランに従いまして、法規制の強化、あるいは導入を関係省庁と共に検討していく所存でございます。
 この分析結果を踏まえて、更に踏み込んだ対策を進めていきたいと考えております。