国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和5年4月20日(木)12:05~12:12

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、自由民主党和歌山県支部連合会演説会場における威力業務妨害事件などがございました。以上です。

問  大臣にお尋ねします。今お話ありました和歌山県の事件の関係ですが、昨年の安倍元総理の銃撃事件が起きてから1年も経たない中で起きたことになりますが、本日の国家公安委員会ではどのような議論があったのでしょうか。また、大臣の御所感と、今後、警察庁をどのように指導していくのかについても伺えればと思います。

答 (大臣)今回の事案と言いますか、事件については、民主主義の根幹をなす選挙が行われている最中で敢行されたものであり、断じて許されるものではない。強い憤りを感じているというのが私の思いであります。
 本日の国家公安委員会においても、事案の概要や警護の実施状況について警察庁から報告を受けました。委員からは、
○ 会場への不審者の侵入、警護対象者への投てきを許した事実、こういったことは重く受け止めなければならない
○ 事実を詳細に調べ、今後に生かさなければならない
○ 聴衆の避難誘導の在り方は課題である
 この「聴衆」と言いますのは、総理とは別に一般の方がおられているわけですから、その避難誘導の在り方は課題であるということです。また、
○ 政党側・警護対象者側のそれぞれの協力も不可欠である
○ 警護要則に基づき、和歌山県警では、今回の警護の状況を確認した上で、今後の警護において留意すべき事項等を警察庁に報告することとなるので、警察庁は、国家公安委員会に随時報告してもらいたい
○ 現場の、当時の警護員の対応は的確であった
等々の意見が出されたところであります。
 繰り返しになりますが、何と言っても、容疑者の接近を許したということについては大変残念で遺憾な事案である、という意見もいただいたところであります。
 私からは、事案発生後に、警察庁に対して、事案の徹底解明を図るとともに、全国警察を挙げて要人の警護に万全を期するよう、改めて指示をしているところであります。
 そして、捜査の結果も踏まえつつ、これから実施される選挙、また、G7広島サミット等に向けて、今後とも一層の警護の充実強化を図るよう、警察庁を指導してまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。やはり岸田総理の事件についてですが、昨年、今お話あったように安倍元総理の事件がございまして、それを踏まえて警察庁は、警護の仕組みを大きく改めたことをはじめ、ネット上の有害情報の対策、それからローン・オフェンダー対策、色々な各種取組を進めてきたところで、そうした中で、今回、爆発物の投てきを許す形になったわけですが、長官は、特に選挙の要人警護の難しさについては、対象者と聴衆との近さ、そういった難しさもあるということを指摘し、警戒するようここまで仰ってきてますが、今回の事件について、どう評価、捉えていらっしゃるか。警護計画については、和歌山県警の計画案を警察庁が審査して、それに基づいて和歌山県警が当日実施しているわけですが、そういったところに問題点がなかったかという点も含めまして、その評価についてお考えをお願いします。また、今回の事案を踏まえて警察としてどう対応していくか、関係の対策を強化するお考えがあるかも含めまして、お考えをお願いします。

答 (長官)今大臣からお話があったことと重なりますが、今回の事件は、民主主義の根幹である選挙運動が行われている中で敢行された凶悪な犯罪行為であると思います。現在、和歌山県警察において、法と証拠に基づいて、厳正に捜査を進めているところであります。
 その上で、警護についてのお尋ねでありますが、今回、身辺警護員の警護措置などにより、一般の方の御協力もあって、岸田総理への危害を防止することはできましたが、他方で、大臣からお話がありました新たな警護要則の下では、警護が終了した際に都道府県警察に警護の状況を確認して、警察庁に報告するように定めております。今回の事案の発生を許したという点については、更にどのようなことができたのかという観点から、今申し上げた和歌山県警察が警護状況の確認を行う上での重要なポイントになるであろうと考えております。
 お尋ねの評価については、今申し上げた和歌山県警察による警護状況の確認の結果に基づいて行うことになると考えますが、いずれにいたしましても、先ほど大臣からもあったとおり、国家公安委員会の御指導もいただきながら、昨年の警護の検証・見直しの趣旨を踏まえた「警護についての不断の見直し」を行い、サミット警備もありますので、更なる警護体制の強化に努めていく所存であります。