国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 令和5年7月20日(木)11:50~11:54

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。案件については、令和5年上半期の懲戒処分者数などがございました。以上です。

問  大臣にお伺いします。今お話がありましたが、令和5年上半期の懲戒処分者数が発表されましたが、総数としては、近年とほぼ同水準でしたが、私行上の非違事案による処分者数がコロナ前を上回り、また、事由としては、「交通事故・違反」が昨年同期より大きく増加しています。このような状況に対する大臣のお考えを伺えればと思います。

答 (大臣)令和5年上半期の全国の懲戒処分者数は117人で、ご指摘のとおり前年同水準でございますが、内訳を見ると、業務上の事案が減少した一方で、私行上の事案が増加しており、特に「交通事故・違反」が増加しております。
 懲戒処分者数のこうした変化の要因について一概に申し上げることはなかなか困難でございますが、こうした事案には、引き続き厳正に対処することが必要であろうかと思います。
 今後とも、まず、業務上の事案に関しては、チェック機能の強化等、業務の仕組みの改善等を進めるということが肝要かと思います。一方、私行上の事案に関しては、職員に対する規律の保持等について、しっかりと指導等をさらに徹底するよう、進めるよう、指導してまいりたいと思います。

問  長官にお尋ねします。上半期の刑法犯の認知・検挙状況がまとまったところです。全体で見ると21年ぶりに昨年同期比で上回ってます。特に、侵入犯罪、それから街頭犯罪の増加がみられております。また、重要犯罪でいうとコロナ前の推移を上回っている状況にあります。全体の状況についてどのように受け止めていらっしゃるか、警察としての取組についてお考えをお伺いします。

答 (長官)昨日、発表いたしました令和5年上半期の犯罪情勢でありますが、今お話ございましたように刑法犯の認知件数は、前年同期比で増加となりました。この傾向は、昨年の後半頃から既に生じていたものであります。新型コロナウイルス感染症が収束に向かう中で人流が増加している、こうしたことが、認知件数の増加傾向に一定程度影響しているのではないかと見ております。
 また、中身を見ましても、特に、重要犯罪の認知件数が、ご指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前である令和元年上半期の数値を上回っております。特に、性犯罪の増加件数が最も多くなっている点に特徴があると思います。
 個別の事案を見ましても、SNS上で実行犯を募集する手口が、特殊詐欺だけではなくて、強盗や窃盗にまで拡大しておりますし、本年上半期には、和歌山県で岸田総理演説会場で爆発物を投てきする事案もございました。長野県では、猟銃等によって警察官を含む4名の方が殺害されるという重大事件も発生するなどしております。
 こうした状況によりまして、統計的な指標の動向以上に、いわゆる体感治安の悪化が懸念される状況ではないかと思います。
 こうした治安情勢に的確に対応するために、先般、「警戒の空白を生じさせないための組織運営の指針」を警察庁で策定いたしました。私どもとしては、犯罪情勢を的確に踏まえた上で、国民の不安を解消するための諸対策をこれからも進めてまいりたいと考えております。