国家公安委員会委員長就任記者会見要旨(関連部分のみ)

1 日時 令和5年9月14日(木)13:00~13:14

2 場所 警察庁第1会議室

3 概要  この度、国家公安委員会委員長、防災担当、国土強靱化担当、海洋政策担当及び領土問題担当を拝命をいたしました松村祥史でございます。
 また、カジノ管理委員会、日本学術会議、船舶活用医療に関する事務も担当させていただきます。
 まず、国家公安委員長としてでございますけれども、委員長を拝命いたしまして国家の治安維持の重責を担っておりますし、身の引き締まる思いであります。
 昨今の治安情勢を見ますと、社会情勢の変化に伴いまして、被害が深刻化しているサイバー事案や、SNSで犯罪者を募集する手口による特殊詐欺等、国民の体感治安に影響を与える事案が生じており、治安課題が多様化しております。
 そのほか、要人に対する警護の強化、自転車その他の小型モビリティ対策の強化等、対策を講ずべき課題は山積しているものと認識をしておりますが、こうした治安上の諸課題に的確に対処し、国民が安全・安心を実感できるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 最後、結びに、前谷大臣が残された実績を本日引き継ぎましたので、我が国と国民を守るという強い決意と緊張感を持って、岸田内閣の一員として、精一杯努めさせていただく所存でございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げて私の着任の御挨拶に代えさせていただきます。以上でございます。

問  よろしくお願いいたします。幹事社からまず5問お伺いします。まず、国家公安委員長に就任されての抱負をお聞かせください。

答  1問ずつでよろしゅうございますか、まず、国家公安委員会の委員長に就任をさせていただきまして、その職責を重いと考えております。治安維持の責任を担うこととなりましたので、身の引き締まる思いであります。常に緊張感を持って、職務に当たりたいと思っております。何分浅学非才の身でございますので、職員の皆様方と協力をしながら、その職責を全うしてまいりたいと考えております。

問  ありがとうございます。続いて2問目ですけども、要人警護についてなんですけれども、昨年の7月に安倍元総理の銃撃事件が起きまして抜本的に態勢を見直しまして、今年の4月には、また岸田総理の襲撃事件が発生しまして演説会の主催者側との連携を強化するなどの対策を講じてきたところですけども、今後、予想される解散・総選挙などもありますが、どのように取り組んでいかれるかお考えを聞かせてください。

答  まず、あの昨年7月の選挙遊説中の安倍元総理の銃撃事件を受けまして、警察では、警護の検証・見直しを行いまして、警察庁の関与を抜本的に強化するなど、警護の強化が進められているものと承知をしております。
 そうした中で、本年4月に、また和歌山で岸田総理に対する爆発物使用襲撃事件が発生をいたしました。警察と主催者との連携や聴衆の方々の安全の確保といった更なる課題が明らかになったことから、こうした問題に対処するため、主催者への働きかけの強化等に取り組んでいるところでございます。
 その上で、選挙、解散・総選挙が予測されるので、今後の対応ということでございますが、選挙というのは、民主主義の根幹でございます。安全に実施されることは極めて重要であると考えております。警護に責任を有する警察を所管する大臣といたしましては、今後とも、警察には、選挙における警護に万全を期すよう、指導してまいりたいとこのように考えております。

問  ありがとうございます。続いて3問目ですけども、強盗や特殊詐欺などの実行犯を募集する、いわゆる「闇バイト」の対策をどのように進めるお考えでしょうか。また、架空料金請求詐欺が増加するなど、依然として深刻な情勢にある特殊詐欺対策についても併せてお答えください。

答  御指摘のとおり、昨年来、SNSで実行犯を募集をして凶悪な犯行に及ぶ強盗等の事件が広域で発生をし、なおかつ架空料金請求詐欺をはじめとする特殊詐欺の被害がですね、ここ数年、増加傾向にあるなど、なお一層踏み込んだ対策が必要だと認識をしております。
 現在、警察では、この種の犯罪の首謀者や指示役の検挙をまず図るとともに、本年3月に犯罪対策閣僚会議で決定をされました緊急対策プラン等に基づきまして、青少年をアルバイト感覚で犯罪に加担させないための啓発資料を公開するなど、各種取組を推進しているところでございます。
 私といたしましても、国民の安全・安心の確保のためにですね、関係省庁、関係団体、事業者と共に連携をしながら、検挙及び被害防止の両面で、引き続き、特殊詐欺対策を強力に推進してまいる覚悟でございます。

問  ありがとうございます。続いて4問目ですけども、警察庁では昨年度にサイバー警察局を設置しまして、外国の捜査機関との連携を強化するなどの対応を進めているところですけども、サイバー空間をめぐる脅威にどのように対処していくお考えでしょうか。

答  サイバーについてお尋ねかと思います。御指摘のように、令和4年4月に警察庁にサイバー警察局を設置するとともにですね、重大サイバー事案の捜査を行うサイバー特別捜査隊を関東管区警察局に設置をいたしまして、警察におけるサイバー事案への対処能力の強化を図ったところでございます。
 また、サイバー事案の捜査に当たっては、外国捜査機関との、これは連携が不可欠であることは御承知のことだと思いますが、国際共同捜査の推進に向けまして情報交換や信頼関係の構築に現在取り組んでいるところであります。
 今後とも、必要な体制整備を図りつつ、サイバー事案の厳正な取締りや実態解明、加えて、国内外の関係機関との連携を更に推進をしまして、サイバー空間における国民の皆様の安全・安心の確保をしっかりと図れるよう、警察を指導してまいりたいと考えております。

問  ありがとうございます。最後の5問目になりますけれども、いわゆる「電動キックボード」などの新たなモビリティや自転車の交通安全対策にどのように取り組まれるかお考えをお聞かせください。

答  御存知のとおり、この7月から、一定の基準を満たす電動キックボードにつきましては、「特定小型原動機付自転車」として、自転車と同様の交通ルールを適用する、新たな制度が施行されたところでございますが、自転車については、近年、対歩行者の交通事故件数が増加傾向にございます。一層の事故防止対策を推進し、良好な自転車交通秩序を実現させていく必要があると考えております。
 引き続きですね、関係機関・団体とも連携をいたしまして、あらゆる機会を捉えて交通安全教育や広報啓発を行うとともに、飲酒運転や信号無視といった、悪質・危険な交通違反に重点を置いた取締りを推進するよう、警察を指導してまいりたいと考えております。

問  1問ご質問いたします。要人警護の関係なんですけれども、先ほど選挙の警護に万全を期すように、指導したいとおっしゃっていたと思うんですが、2019年の参院選で、ヤジを飛ばした市民を警察が排除したことで裁判になっている件があると思うんですが、あの件で今、札幌高裁で2人原告がいる中で、1人については勝訴して、今最高裁で争われている状態なんですけれども、市民の表現の自由と、選挙の安全というのをどのように両立させるかについて、何かお考えがあればお願いいたします。

答  只今お尋ねの件については、私自身、詳細な事実経過を把握しておりませんので、警察から詳細を聞いた上でですね、何ができるのか、また、どんな対応ができるのかということは考えてまいりたいと考えております。